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全国の企業倒産件数、上半期は10年ぶり5000件台に TSR調査

2024.10.09

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2024年度上半期(4~9月)の全国企業倒産件数を集計・分析し、公表。10年ぶりに5000件を超える倒産件数となったことや、全9地区が2年連続で前年同期を上回ったことなどを明らかにした。

5000件台は2014年度同期以来10年ぶり

5000件台は2014年度同期以来10年ぶり

TSRによれば、2024年度上半期(4~9月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が5095件(前年同期比17.8%増)、負債総額は1兆3754億100万円(同13.8%減)。

件数としては、年度上半期として3年連続で前年同期を上回っており、5000件台を超えたのは2014年度同期(5049件)以来、10年ぶりだという。

負債総額は、3年連続で1兆円を超えているものの、2年連続で前年同期を下回っている。これについてTSRでは、負債1000億円以上1件(前年同期2件)を含む負債100億円以上が4件(同10件)に減少したことが背景にあると解説している。一方で、負債5億円以上10億円未満は前年同期比8.5%増の140件に、1億円以上5億円未満は同12.9%増の1006件に増加したという。

産業別・地区別の分析

産業別・地区別の分析

産業別件数としては、10産業のうち「金融・保険業」を除く9産業で前年同期を上回ったことが明らかになっている。

最多は「サービス業他 1693件(前年同期比15.3%増」で、年度上半期としては3年連続で前年同期を超えたとのこと。そのほか「建設業 964件(前年同期比13.1%増)」「農・林・漁・鉱業 58件(同26.0%増)」「製造業 585件(同26.3%増)」「運輸業 223件(同5.6%増)」「情報通信業 225件(同27.8%増)」が3年連続で前年同期を上回ったという。

また、地区別件数の分析では、2年連続で9地区全てで前年同期を上回ったことが報告されている。年度上半期で、2年連続で全9地区が前年同期を上回るのは、1997年度-1998年度以来、26年ぶりとのこと。

中でも「北海道 150件(前年同期比21.9%増)」「東北 279件(同24.5%増)」「関東 1878件(同15.2%増)」「中部 613件(同15.4%増)」「近畿 1287件(同19.1%増)」「中国 249件(同31.0%増)」「九州 464件(同22.4%増)」は、年度上半期としてはそれぞれ3年連続で前年同期を上回ったことが明らかになっている。

まとめ

TSRによれば2024年9月度としても倒産件数は増加しており、807件と10年ぶりの800件台であったことが報告されている。また、集計対象外であった負債1000万未満の倒産件数も2年連続での増加を見せたという。

TSRは資金需要が活発になる年末を目前に、資金調達が追いつかない企業の黒字倒産も現実味を帯びてくることを指摘。企業倒産が急増する要因は少ないながらも、徐々に増加していくとの予測を示した。

物価高、人手不足、追加利上げなどで企業の経営環境は二極化が進んでいる。10月27日には衆議院選挙を控えており、政府が打ち出す経済対策などにも注目したい。

出典元:2024年度上半期(4-9月)の全国企業倒産5,095件(株式会社東京商工リサーチ)