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上場企業の役員報酬、1億円超が社数・人数ともに過去最多 2023年度「役員報酬・平均年間給与」TSR調査

2024.10.18

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2023年度 「役員報酬・平均年間給与」調査の結果を公表した。本調査は、全証券取引所の2023年度決算(2023年4月期-2024年3月期決算)の上場企業3874社を対象に、有価証券報告書で役員報酬1億円以上を個別開示した企業および掲載の平均年間給与を集計したもの。上場区分は2024年9月時点。

役員報酬1億円以上が初めての1000人超え

役員報酬1億円以上が初めての1000人超え

TSRによれば、2023年度に役員報酬1億円以上を開示した上場企業は509社で、人数は1120人。これは社数、人数ともに過去最多で、人数が1000人を超えたのは初めてだという。

また、上場企業3229社(純粋持株会社を除く)の従業員の平均年間給与(以下、年間給与)は、633万7000円(中央値609万9000円)で、2010年度以降で最高。役員報酬額トップはセブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント取締役の報酬額77億3200万円で、従業員給与(年間給与818万8000円)との格差は944.3倍だったとしている。

従業員年間給与のトップは、M&Aキャピタルパートナーズの2478万円(前年3161万3000円)で、10年連続でトップ。なお、年間給与1000万円以上は前年の64社から22社増加し、86社となったことも報告されている。

上場企業の年間給与について、TSRでは「民間給与実態統計調査(令和5年分)」の民間企業の年間給与530万3000円(正社員)と比較して103万4000円増の1.1倍となったとしている。大手に加えて中小企業も賃上げは進んでいるものの、中小企業には“賃上げ疲れ”も出始めていると指摘しており、今後の課題として賃上げを維持するだけの収益向上の実現があると解説した。

出典元:上場企業の役員報酬1億円以上509社 1,120人 従業員との格差 最大944倍 中央値10.8倍(株式会社東京商工リサーチ)
参考:令和5年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

まとめ

役員報酬1億円以上の開示はコロナ禍で減少を見せていたが、TSRによれば2021年度から2年連続で社数・人数とも上昇が続いているという。一方、従業員の年間給与においては採用難なども背景に大手と中小企業の格差拡大が進んでいる状況で、中小企業において賃上げは原資の確保を含めて課題となっている。役員報酬ととともに、従業員の年間給与についても引き続き動向に注目していきたい。