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新入社員が上司・人事に期待すること第1位は「定期的なフィードバック」 日本能率協会調査

2024.12.05

一般社団法人日本能率協会(以下:JMA、会長:中村正己)は、同協会が提供する新入社員向け公開教育セミナーの参加者を対象に「2024年度新入社員意識調査」を実施。仕事や働くことに対しどのような意識を持っているかを明らかにした。

調査概要

調査名称:2024年度新入社員意識調査
調査期間:2024年4月2日~4月5日
調査対象:日本能率協会の新入社員向け公開教育セミナー参加者
調査方法:研修実践時に記入(入力)・回収
回答数:673人
出典:2024年度「新入社員意識調査」(一般社団法人日本能率協会)
※集計結果は%で表示し、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならないものがある
※最終学歴が「高校卒業」を「高校卒群」その他を「高校卒外群」として割合を集計しており、詳細へ反映

新入社員に聞いた「意欲や能力を高めるために、上司・人事への期待すること」 

新入社員に聞いた「意欲や能力を高めるために、上司・人事への期待すること」 

本調査ではまずはじめに、自身の成長に向けて、上司・人事へ期待することについて質問。「成長や力量に対する定期的なフィードバック(22.0%)」「ワークライフバランスをとれる柔軟な働き方ができる環境づくり(17.4%)」「キャリアや価値観・強み/弱みについての定期的な話し合い(17.3%)」との回答が上位に並んだという。

本結果については、経年別、性別での大きな変化は見られなかったことも報告されている。属性別では、高校卒群に比べて高校卒外群は「成長や力量に対する定期的なフィードバック」が6.9pt高くなった。

なお、理想的だと思う上司・先輩については「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩(25.5%)」「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩(10.9%)」「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩(10.8%)」が上位に挙げられたという。

キャリア形成や将来に対する新入社員の意向

キャリア形成や将来に対する新入社員の意向

続いてJMAは、新入社員のキャリア形成や将来についての設問において、若いうちからの苦労について「進んで苦労すべきだ(41.8%)」「好んで苦労する必要はない(36.8%)」「どちらともいえない(21.4%)」との回答割合になったことを報告。高校卒外群は高校卒群より「進んで苦労すべきだ」」が8.1pt高くなり、女性は男性より「好んで苦労する必要はない」が19.3pt高くなったことも判明した。

次に本調査では、働きたい職場について5つの設問で方向性を質問している。各設問でのトップ回答は下記の通り。

実力・成果主義/年功主義 「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場(72.2%)」
チームワーク重視/個人裁量重視 「チームワークを重視する職場(79.2%)」
アットホーム/ビジネスライク 「仕事以外のことも相談できる職場(77.7%)」
評価軸は仕事の「量」/評価軸は仕事の「質」 「働いた仕事の「質」で評価される職場(77.0%)」
業務の中でスキルアップ/業務の外でスキルアップ 「苦労は多いが、確実にスキルアップできる職場(66.0%)」

仕事をしていく上での不安「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」

仕事をしていく上での不安「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」

また、JMAは、仕事をしていく上でどんなことが不安かを尋ねた結果として、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか(23.2%)」「仕事に対する現在の自分の能力・スキル(20.3%)」「仕事での失敗やミス(10.4%)」との回答が上位に並んだことを報告している。

高校卒群/高校卒外群を比較すると、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」では高校卒外群の方が、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」「仕事での失敗やミス」では高校卒群の方がそれぞれ約5.0pt高くなったという。

また、「仕事での失敗やミス」については、他の設問で新入社員にとって抵抗のある行動を尋ねた際に「上司や先輩からの指示が曖昧でも、質問をしないで、とりあえず作業を進める(22.1%)」がトップに挙げられたことから、ミスをしたくないことと、曖昧なまま作業をすすめたくないことの関連性が見受けられる。

転職を考えるシチュエーション第1位は「職場の人間関係が悪いとき」

転職を考えるシチュエーション第1位は「職場の人間関係が悪いとき」

次に本調査では、職場で遭遇するいくつかのシチュエーションに対して、どの程度転職を考えるか質問。「職場の人間関係が悪い時」に「転職を考える(そう思う+どちらかと言えば、そう思う)」が15.7%でトップになったという。次いで「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき(14.3%)」「会社の将来性が見込めなくなったとき(13.9%)」が続いている。

また、将来のキャリアイメージについて尋ねる項目では、全体の61.0%が「将来のキャリアイメージを描いている(描いている+どちらかと言えば描いている)」と回答したことが判明。特に、高校卒外群は高校卒群より「将来のキャリアイメージを描いている」が24.7pt高くなっている。

まとめ

新入社員は自分たちの業務に対して適正な評価とフィードバックを受けたいと考えており、丁寧な指導を望んでいるようだ。また、本調査結果からは、チャレンジ意欲の二極化の傾向も見られた。一方で、働きたい職場に関する設問の中では「苦労は少ないが、スキルアップは自身の努力による職場」よりも「苦労は多いが、確実にスキルアップできる職場」が支持されている。

JMAはこうした結果を受けて「業務を『苦労』ではなく『スキルアップのための努力や経験』と捉えられるように個々の意欲に応じた柔軟な育成・指導方針を採用することが必要」とコメントしている。新入社員の成長意欲を向上させ、スキルアップとキャリア形成をサポートしていくことが、企業の成長にもつながるのではないだろうか。