企業が選ぶ2024年を表す漢字は「変」が2年連続のトップに TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2023年から企業を対象に、1年間の事業活動を表す漢字についてアンケート調査を実施している。2024年も終わりが近づく中、昨年に引き続き調査が実施された。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年12月6日~10日
有効回答企業数:1320社
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:企業が選ぶ今年(2024年)を表す漢字アンケート(株式会社帝国データバンク)
「変」「耐」「忍」「新」「忙」「高」がランクイン
TDBのレポートによると、1位は昨年に続き「変」が選ばれたという。以下「耐」「忍」「新」「忙」「高」がランクインしたことが報告された。このうち今年新たにランクインしたのは「新」と「忙」の2つであった。
1位となった「変」が選ばれた理由については「アメリカ大統領や日本の首相が変わり、世の中の仕組みも変化が激しい(化学品製造)」「変わらなければ埋没してしまう(医薬品・日用雑貨品小売)」などの声が寄せられたようだ。
2位の「耐」と3位の「忍」については「耐えるを選んだ理由は人手不足により現状維持が精一杯なため(建設)」「価格転嫁できる状況にはなく、耐え忍ぶ我慢の一年であった(飲食料品卸売)」などが理由に挙げられている。
4位に並んだ「新」「忙」「高」については、新たなチャレンジや業務の多忙さ、人件費や物価の高騰、株高などを理由に選ぶ企業が多かったという。
TDBは本調査結果を受けて、さまざまな変化の起こった2024年には「耐え忍ぶ企業」が多かった一方で「変化を前向きに捉えて対応する企業」の姿も多く見られたと解説。2025年も企業が柔軟な適応で前進することに期待を寄せた。
まとめ
日本漢字能力検定協会が実施する「今年の漢字®」では、2024年は「金」が1位に選ばれている。オリンピックやパラリンピックでの金メダル獲得や、大谷翔平選手の値千金の活躍といったポジティブな理由と、裏金問題や金目当ての闇バイト、止まらない物価高騰などのネガティブな理由からランクインしたようだ。
企業が1位に選んだ「変」について、TDBは「国内外の様々な変化に直面するなかで、企業自身も前向きに変化した1年と捉えた」とコメントしている。ここにもポジティブな側面とネガティブな側面のどちらもが混在していると言えるだろう。
2024年は11月時点で2023年を上回る倒産件数が確認されており、多くの企業にとって苦しい1年だったことは間違いない。この苦しさを乗り越える中で「変化」や「挑戦」に取り組んだ企業も少なくないだろう。
2025年、外的環境が大きく好転するとは考えづらい状況にあるものの、変えるべきものは変え、守るべきものは守り、新たな時代を作る1年としていただきたい。
参考:今年の漢字(日本漢字能力検定協会)
参考:倒産集計 2024年 11月報(株式会社帝国データバンク)