テレワーカーが理想とする居住エリアは? ベンチャーサポートグループ調査
ベンチャーサポート不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:内田和希)は、テレワークもしくはハイブリッドワークで働く正社員を対象に「居住地と働き方」に対する意識調査を実施した。現在の居住地を選択した理由や、将来希望する居住エリアについて明らかにしている。
調査概要
調査方法: ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、テレワークまたはハイブリッドワークで働く正社員(20~30代男女:東京都23区 258名/政令指定都市 245名/東京都23区外 95名/その他 413名)を対象に実施
有効回答数:1011人
調査実施期間:2024年7月26日~2024年7月30日
現在の居住エリア:
・東京都23区:25.5%
・政令指定都市:24.2%
・東京都23区外:9.4%
・その他:40.9%
現在の働き方:
・テレワーク 27.0%
・ハイブリッドワーク(出社とテレワークの組み合わせ):73.0%
出典元:<居住地と働き方に関する調査>を実施(ベンチャーサポート不動産株式会社)
現在の居住エリアを選んだ理由
本調査ではまずはじめに「現在の居住エリアを選んだ理由に最も当てはまるものを教えてください」と質問。その結果を現在の居住エリアごとに報告した。
現在の居住エリアが「東京都23区」「政令指定都市」の人では「交通の便が良いため(47.9%)」「仕事の選択肢が多いため(16.7%)」が上位に並んだという。
一方で、現在の居住エリアが「東京都23区外」「その他」の人では「生活費が安いため(21.5%)」「自然環境が良いため(15.9%)」「子育てがしやすそうなため(15.8%)」が多く挙げられたようだ。
これらの結果から、交通の便など利便性を重視する人は「東京都23区」「政令指定都市」を、生活費や自然環境、子育ての観点を重視する人は「東京都23区外」「その他」を選択する傾向にあると推察される。
居住エリア変更への意向
続いて本調査では「将来、居住エリアを変えたいと思いますか?」と質問。全体の回答割合は「はい(53.1%)」「いいえ(46.9%)」となったことが報告された。
現在の居住エリア別では「東京都23区」「政令指定都市」の人では「はい(56.5%)」「いいえ(43.5%)」との割合に。「東京都23区外」「その他」の人は「はい(49.8%)」「いいえ(50.2%)」となり「東京都23区」「政令指定都市」に住む人の方が変更を希望する割合が多いことが明らかになった。
居住エリアを変えるタイミングとしては、現在の居住エリアが「東京都23区」「政令指定都市」の人では「転職(26.4%)」「すぐにでも変えたい(16.9%)」「転勤(16.9%)」との回答が多いという。現在の居住エリアが「東京都23区外」「その他」の場合では「転職(22.1%)」「転勤(18.2%)」「持ち家の購入(17.0%)」「結婚(17.0%)」が上位に挙げられている。
将来の居住エリアに関する希望
本調査結果を見ると、現在の居住エリアが「東京都23区」「政令指定都市」の人は、将来も現在と同じ「東京都23区(43.7%)」「政令指定都市(26.8%)」を考えている人が7割を超えることがわかる。
一方、現在の居住エリアが「東京都23区外」「その他」の人は、現在と同じ「東京都23区外(23.3%)」「その他(14.7%)」を考えている人は4割弱にとどまっている。
現在「東京都23区」「政令指定都市」に居住する人が、将来の居住エリアとして「東京都23区」「政令指定都市」を選ぶ理由は「交通の便が良いため(39.0%)」「仕事の選択肢が多いため(18.5%)」「教育環境が充実しているため(14.0%)」が上位に。
同対象者が将来の居住エリアに「東京都23区外」「その他」を希望する理由としては「生活費が安いため(27.4%)」「自然環境が良いため(22.6%)」「子育てがしやすそうなため(14.3%)」が多いようだ。
現在「東京都23区外」「その他」に居住する人の場合、将来の居住エリアとして「東京都23区」「政令指定都市」を希望する理由は「交通の便が良いため(42.0%)」「仕事の選択肢が多いため(19.1%)」が多く「東京都23区外」「その他」を希望する理由としては「生活費が安いため(21.9%)」「子育てがしやすそうなため(20.8%)」「自然環境が良いため(17.7%)」が上位であった。
居住エリアと働き方の関係
次に本調査では「現在、ワークライフバランスを保てていますか?」と質問しており「はい(77.4%)」「いいえ(22.6%)」という回答結果となったことが報告された。なお、現在の居住エリア別でもほぼ同じ割合であったという。
さらに「理想的な働き方を教えてください」との質問には「ハイブリッドワーク(出社とテレワークの組み合わせ)(52.1%)」「テレワーク(41.7%)」との回答が9割を超えている。この傾向についても、居住エリア別でも大きな差はみられていない。
「収入と働き方、どちらを重視していますか?」との質問については「収入が減っても、テレワークで働きたい(59.0%)」「収入が増えるなら、毎日出社でもよい(41.0%)」という回答割合が報告された。「収入が減っても、テレワークで働きたい」と回答する割合は、現在の居住エリアが「東京都23区」「政令指定都市」の人の方が4.9pt多かった。逆に「収入が増えるなら、毎日出社でもよい」との回答は「東京都23区外」「その他」に住む人の方が4.9pt多い。
まとめ
本調査では、ワークライフバランスへの満足度は居住エリアに影響されないことが明らかになった。これは、それぞれが居住エリアに対して求める条件が違うことも影響していると考えられる。
一方で、居住エリアによって働き方の選択には若干の差がみられた。これについては、通勤の利便性等が関係していると推察される。通勤ラッシュによるストレスを受けやすいエリアに居住する人に対しては、テレワークの導入が仕事への満足度を高めることへとつながる可能性がありそうだ。
改めて、従業員が何を重視し、どのような働き方を希望しているかを知り、多様な働き方の実現に取り組んでみてはいかがだろうか。