「給与デジタル払い」導入検討中の企業は約36% jinjer調査
jinjer株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:桑内孝志)は、企業の人事担当者の計361名を対象に「給与デジタル払いの認知度およびその実施状況」に関する調査を実施した。2023年4月、労働基準法の一部改正により、電子マネー口座を利用する「給与デジタル払い」の利用開始が認められ、利便性や効率性の向上が期待されている。そこで同社は、人事部門を中心に「給与デジタル払い」に関する認知度や導入検討状況、期待されるメリットと課題、また効率化が期待される業務内容について現状を明らかにした。
調査概要
調査概要:給与デジタル払いの認知度およびその実施状況に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年12月4日~同年12月5日
調査対象:企業の人事担当者 計361名
出典元:jinjer株式会社
給与デジタル払いの認知度は約76% 導入検討中が36%超
本調査結果を見ると「給与デジタル払いが2023年4月から開始されたこと」について、認識している人事担当者は75.6%と報告されている。
続いて「給与デジタル払いを導入検討しているか」との設問では、63.7%が「検討していない」と回答したことがわかった。検討中との回答は合わせて36.4%と、実際に取り組もうとしている企業は半数にも満たない現状のようだ。
同社は、従業員規模別で「導入検討している」企業群へクロス集計を実施。「直近半年以内に導入を検討している」企業群で最も多いのは、従業員規模が「301~1000名」および「3001名以上」の企業であると報告している。1年以内での導入を検討している企業については「301~1000名」や「1000~3000名」と、中堅から大企業が導入検討をしている傾向が見られたという。
給与デジタル払いの理解度は約48% 期待するメリットと課題は?
次に本調査では、給与デジタル払いの仕組みや運用方法の理解度について質問。「非常によく理解している」「ある程度理解している」との回答が合わせて47.6%であったことを報告している。
また、給与デジタル払い導入で期待するメリットとしては「振り込み手数料の削減(64.4%)」「従業員の利便性向上(55.5%)」「給与支払い業務の効率化(48.7%)」が上位に挙げられたという。
逆に、導入検討をするにあたって感じる課題/不安については「従業員からの合意獲得や制度変更が大変そう(47.1%)」「現行の給与システムとの連携が難しそう(40.3%)」「導入プロセスが複雑で手間がかかりそう(34.6%)」「セキュリティ面のリスクが懸念される(34.6%)」との回答が多いようだ。
さらに本調査では、給与デジタル払いを導入検討するにあたり最も障壁となる要因について質問。「導入コストの負担(55.4%)」「システムや運用面の複雑さ(46.5%)」「従業員の理解や協力不足(45.7%)」が上位に並んだことを報告した。
まとめ
給与デジタル払いについて、コストの削減や従業員の利便性向上、担当者の業務効率化に期待する声が多く寄せられる一方で、導入検討はあまり進んでいない様子がうかがえる。仕組みや運用方法の理解度が半数以下となっており、導入への障壁としても担当者・従業員ともに理解が進んでいないことが上位回答に。給与デジタル払いの利用が進むためには、その仕組みや運用方法の理解促進が必要なようだ。
給与デジタル払いを導入するにあたっては、まず使用者と労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で労使協定を締結しなければならない。一方の希望だけで強制的に進められる取り組みではないため、まず十分な協議をすることが必要だ。
厚生労働省はガイドラインや周知用の資料を公開している。今後導入を検討するのであれば、社内で協議を進める際の資料として活用してみてはいかがだろうか。
参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚生労働省)














