初任給「引き上げる」が7割!初任給額「20〜25万」が最多 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、「新卒社員の初任給」について企業へアンケートを行った。初任給引き上げの実施状況や、引き上げ額、初任給額などを明らかにしている。
調査概要
アンケート期間:2025年2月7日~12日
有効回答企業数:1519社
調査手法:インターネット調査
出典元:初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)(株式会社帝国データバンク)
7割が初任給を引き上げ「1〜2万円未満」が最多
TDBの報告によると、2025年4月入社の新卒社員に支給する初任給について「引き上げる」と回答した企業の割合は71.0%となっている。一方で、29.0%が「引き上げない」と回答したという。企業規模別では「中小企業(71.4%)が「大企業(69.6%)」よりも高くなっている。一方で「小規模企業(62.2%)」は全体を8.8ポイント下回り、規模間で格差がみられたことが報告されている。
なお、引き上げ額を回答した企業では、引き上げ額「1万〜2万円未満(41.3%)」が最も多く、次いで「5千〜1万円未満(30.7%)」が続いている。なお、初任給を引き上げる平均額は9114円だったことが報告された。
初任給額20万円未満は前年度より減少
2025年度の初任給の金額としては「20万~25万円未満(62.1%)」との回答割合が最も高く、次いで「15万~20万円未満(24.6%)」が続く。TDBの報告では20万円未満とする回答の割合が前年度より10ポイントほど低下しており、初任給の上昇傾向がうかがえる。
TDBは初任給を引き上げる企業から、コストアップにより経営が圧迫されるとの声も複数聞かれたことを報告。また、初任給の引き上げを契機に、既存社員の賃上げを行う予定または今後の課題として挙げた企業も多数あったという。
一方で、初任給を引き上げない企業からは、原資確保が出来ない厳しい状況にあるとの声が挙げられたほか、既存社員の賃上げを優先するという声もあったようだ。
まとめ
本調査では7割を超える企業が新入社員の初任給引き上げを実施することが判明。一方で、中小企業や小規模企業では苦しい状況にある様子もうかがえる調査結果となっている。
物価上昇が家計にもたらす影響は大きく、初任給の引き上げが人材確保における重要な取り組みとなっている。しかし、既存社員の賃上げとバランスをとっていく必要もあり、原資確保が何よりの課題とも言えるだろう。
TDBはこうした中で、中小企業における価格転嫁の進展が重要なポイントになると指摘。企業努力のみならず、それをサポートする政府・行政の支援策の充実も肝要だと提言した。














