女性管理職を増やすために必要なのは「柔軟な働き方の実現」 Waris調査
株式会社Waris(所在地:東京都千代田区、共同代表:米倉史夏、田中美和、河京子)は、3月8日の「国際女性デー」を前に「女性管理職に関する調査~経験者と未経験者の両視点から探る~」の結果を公開した。女性管理職の登用を推進する動きが強まる中、女性管理職が抱える悩みや、女性管理職増加に寄与する要素などを明らかにしている。
調査概要
調査期間:2025年1月15日~1月31日
調査対象:管理職経験のある女性/管理職経験のない女性
調査方法:WEBアンケートフォームによる回答
回答数:292件
調査主体:株式会社Waris
出典元:Waris、【3/8国際女性デー】に向けて「女性管理職に関する調査」を発表(株式会社Waris)
女性管理職の課題と未経験者の声
同社は管理職経験のある女性を対象に、苦労していることや課題について質問。回答の上位には「精神的なプレッシャーが大きい(52%)」「ワークライフバランスが取りづらい(46%)」「男性中心のコミュニケーションや組織風土(44%)」などが並んだという。
また、管理職未経験者を対象に管理職をやりたいか否か尋ねる項目では「はい(14.3%)」「どちらかというとはい(38.8%)」との回答が半数を超えたことが報告されている。
「はい」「どちらかというとはい」と回答した人はその理由について「経験やスキルを磨きたい」「仕事内容に興味ややりがいを感じる」「より高い給与や報酬を得るため」「裁量を広げたいから」「自身のキャリアビジョンの実現のため」などを挙げたという。
一方で「いいえ」「どちらかというといいえ」と回答した人からは「労働時間や仕事量への不安があるから」「自分の能力・経験が不足していると感じるから」「ワークライフバランスへの懸念があるから」「管理職に興味がない」といった声が寄せられたようだ。
女性管理職を増やすには?
続いて同社は「女性管理職を増やすために有効だと考えることはなんですか」との質問に対し「柔軟な働き方の実現(77%)」「子育て・介護などライフと仕事の両立支援(61%)」「夫やパートナーの家事・育児協力(56%)」「業務経験、キャリア開発機会の男女格差是正(52%)」「家事・育児は女性がするもの」などの性役割意識のような社会通念・風潮がなくなる(緩和する)こと(50%)」との回答が多く寄せられたことを報告している。
また「女性管理職比率の公表義務化は女性管理職比率増に有効か」との設問では「有効だと思う(59.6%)」との回答が最多であったことが判明。さらに、有効だと思う理由として「女性が企業選びの参考にすることで競争が生まれる」「外圧・法的規制が変革を促す」「企業の意識改革のきっかけになる」「女性比率の高い企業が増えればそれが「当たり前」になる」などの声が寄せられたようだ。
その一方で「形式的な対応・形骸化の懸念」「育児などとの両立の困難さといった課題の本質的な解決にはならない」「管理職は適任者がなるべき」などの理由から「有効だとは思わない(25%)」と回答した人も一定数存在することは見逃せない。
さらに「男女の賃金差異公表義務の対象範囲拡大は女性管理職比率増に有効か」との設問においても「有効だと思う(59.6%)」が最多に。その理由として「数値で事実を可視化することで企業の対応が促され女性の管理職登用も進む」「女性が公平な賃金を得られることが明確になれば管理職を目指す意欲が高まる」「外圧・法的規制による強制力となる」といった声が寄せられているようだ。
なお「有効だとは思わない(24%)」と回答した理由には「賃金差の要因が複雑で直接的な影響は薄い」「管理職比率の増加に直結しない」「数字合わせや形骸化の懸念」「性別ではなく個々の成果などに応じた賃金体系が望ましい」などが挙げられたという。
まとめ
人手不足の深刻化が進む中、女性の活躍推進はより一層重要度を増していると言えるだろう。そうした中で今後、女性の管理職比率と男女の賃金差異の公表義務については、対象が拡大される方向での検討がなされている(※)。
本調査では公表義務は女性管理職を増やすにあたって有効な手段だと考える人が多いことが判明した。しかし一方では、形骸化を懸念する声も。本質的な効果を得るためには、社内の意識改革を進めていくことが重要だろう。
また、本調査結果を見ると、女性管理職を増やすためには「柔軟な働き方の実現」が有効だと考える人が最も多くなっている。柔軟な働き方が実現できれば、女性管理職だけでなく、多くの人にとって働きやすい環境になるだろう。今後の取り組みの参考にしていただきたい。
※参考:第79回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(厚生労働省)











