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デジタル化投資の認知度わずか27% フォーバルGDXリサーチ研究所調査

2025.03.03

フォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業のデジタル化について調査をした「研究レポート」を2月28日に発行。本調査は2024年11月、政府が閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」と称する新たな経済対策において特に注目されている経済成長戦略『「投資立国」及び「資産運用立国」の実現』に関連するものとして実施。政府のめざす方向性とともに、中小企業のデジタル化支援へのニーズや投資状況などについて明らかにしている。

調査概要

調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
調査期間 :2025年1月14日~2025年2月14日
調査対象者 :全国の中小企業経営者
調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数 :828人
出典元:研究レポート 中小企業のデジタル化(フォーバル GDXリサーチ研究所)

デジタル化投資を「知っている」わずか27.0% 強化したい領域は?

デジタル化投資を「知っている」わずか27.0% 強化したい領域は?

同研究所は、政府が「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」において【デジタル化投資】を促進している点に着目。これには、業務効率化に資するITツールの導入や、省力化のためのシステム構築及び設備投資を行う中小企業を支援するための補助金制度が施策として含まれており、昨今の最低賃金引上げによる負担軽減のために、最低賃金近傍の従業員を抱える事業者については補助率が更に優遇される内容になっているという。

しかしながら、本調査において政府が促進するデジタル化投資を「知っている」と回答した経営者は「よく知っている」「ある程度知っている」を合わせてもわずか27.0%にとどまっている。

次に本調査では、デジタル化投資で強化したい領域について質問。最も多い回答は「新しいソフトウェアの導入(39.0%)」で、次いで「ハードウェアのアップグレード(28.9%)」「データ管理・分析システムの導入(27.5%)」が続いたことが報告された。

デジタル化を必要としている企業は76.4% 売上拡大よりも業務効率化?

デジタル化を必要としている企業は76.4% 売上拡大よりも業務効率化?

続いて、デジタル化の必要性を尋ねる項目では「とても必要だと思う」と「ある程度必要だと思う」と回答した企業が7割以上を占めたという。また、デジタル化に期待することとしては「業務効率の向上(86.7%)」「コスト削減(56.7%)」「データの一元管理(53.7%)」が上位に並んでいる。

さらに本調査では、デジタル化支援の需要についても尋ねており「受けたい(20.1%)」「やや受けたいと思う(43.8%)」と、約6割の企業が興味を示していることが明らかになった。デジタル化で求められる支援内容としては「補助金や助成金の提供(83.4%)」「税制優遇制度(57.3%)」が多いようだ。

また、デジタル化によって強化したい業務領域については「データ入力・管理(69.0%)」「財務・会計(44.5%)」が上位に並んでいる。一方で、売上向上に直結する「マーケティング・広告(22.3%)」のデジタル化の優先度は比較的低いことも明らかになった。

デジタル化にあたり投資予算を既に組んでいる企業は1割未満

デジタル化にあたり投資予算を既に組んでいる企業は1割未満

デジタル化を推進するためにははじめに投資予算の確保が重要となる。しかし本調査において「既に組まれている」と回答した企業はわずか7.1%であった。最も多かったのは「必要だと思うが組めていない(41.7%)」だという。デジタル化を推進するための投資予算を組むことができない理由としては「対応する経済的な余裕がない(56.8%)」との回答が最も多い。

なお、デジタル化を推進するにあたってのハードル、課題としては「初期投資のコスト(66.3%)」「技術的な知識不足(47.7%)」「従業員のスキルの不足(35.6%)」などが上位に並んでいる。

まとめ

デジタル化の重要性は感じながらも、投資予算を組むところまでは至っていない企業が大多数であることが判明。さらにはその多くが経済的な余裕のなさから対応できていないことも明らかになっている。

本調査では低い認知度となったデジタル化投資だが、政府は本施策において事業者それぞれの業務に応じたオーダーメイド型の省力化投資を支援するとしている。デジタル化の推進において金銭面が大きな障壁となっている企業は、積極的に活用していただきたい。

デジタル化は幅広い業務において活用できるものだが、本調査では強化したい領域として多くの企業が事務系の業務を挙げている。どのような業務においてデジタル化が進められるか、自社の経営改善にどのようなデジタルツールや専門技術が必要か、改めて洗い出すことも重要ではないだろうか。

参考:国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策(内閣府)