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国内景気、大企業・小規模企業改善も中小企業は2カ月連続で悪化 TDB調査

2025.03.06

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、全国2万6815社を対象とした2025年2月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。レポートの中から企業規模別の景気動向について抜粋して紹介する。

2025年2月の国内景気は前月比0.1ポイント減で2カ月連続の悪化

2025年2月の国内景気は前月比0.1ポイント減で2カ月連続の悪化

TDBの発表によると、2025年2月の景気DIは前月比0.1ポイント減の43.5となり、2カ月連続で悪化している。物価高や寒波の影響が個人消費を低迷させたほか、建設や製造での悪化が特に目立ったという。賃上げによる個人消費の回復に期待が寄せられているものの、輸出産業に対する海外リスクの影響もあり、今後も横ばいの傾向が続く見込みだ。

コメや鶏卵の価格上昇は農業関連業界にとってはプラスの要因となり、農業関係については景況感が押し上げられている。また、寒波到来は観光産業にはマイナスだったが、冬物衣料の生産増がアパレル製造の景況感を3カ月ぶりに押し上げた。

家計の節約志向や借入金利の上昇、燃料価格の高止まり、トランプ大統領による関税政策、中国経済の動向など、下押し要因やリスク要因も多い。実質賃金の増加と個人消費の拡大、訪日客消費などが下支えになると考えられるものの、大幅な回復は見込めないだろう。

大企業、小規模企業は改善 中小企業が2カ月連続で悪化

大企業、小規模企業は改善 中小企業が2カ月連続で悪化

「大企業」(48.2):前月比0.1ポイント増
大企業では2カ月ぶりの改善となった。コメや鶏卵の価格上昇で農・林・水産が押し上げられたほか、生成AIによる関連商材の荷動きが活発だったという。一方で「不動産」では建築費や人件費の上昇による悪化がみられている。

「中小企業」(42.7):前月比0.1ポイント減
中小企業は2カ月連続の悪化となった。燃料価格の上昇は「運輸・倉庫」の大きな負担となり、寒波や大雪の影響が「飲食店」「旅館・ホテル」を悪化させたという。大企業との規模間格差は5.5と、3カ月連続で拡大している。

「小規模企業」(41.6):前月比0.1ポイント増
5カ月ぶりに改善した小規模企業では、インバウンドや自動車向けの部品製造などがプラス材料になったという。一方で、値上げによる買い控えなどが響いた「小売」では、日用品や家具などでの落ち込みが目立っている。

調査概要

調査期間:2025年2月14日~2月28日
調査方法:インターネット調査
調査対象:調査対象2万6815社、有効回答1万835社、回答率40.4%
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:2025年2月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)

まとめ

2025年1月に続き悪化がみられた国内景気。今季最長となる寒波の到来で、業界によってそれぞれプラス・マイナスの影響があったようだ。企業規模別の分析を見ると、大企業と中小企業の規模間格差は3カ月連続で拡大している。

TDBは国内景気を改善させる最大のポイントは、実質賃金の増加と国内消費の拡大という好循環だとの見解を示した。しかし、中小企業や小規模企業では人件費の高騰が利益を圧迫する可能性も高い。今後も規模別の動向に注目したい。