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入社1年目社員の「勤務先企業の満足度」は入社前より減少 キャリタス調査

2025.03.24

株式会社キャリタス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:新留正朗)は、就職後の満足度や現在の就労状況について、2024年卒のキャリタス就活モニターだった入社1年目の社会人を対象に調査を実施。就活当時と比較・分析した結果を公表した。

調査概要

調査対象:元「キャリタス就活2024」学生モニターの2024年度新入社員(2024年4月入社者)
調査時期:2025年2月12日~26日
調査方法:インターネット調査法
回答者数:412人
出典元:元「キャリタス就活2024 学生モニター」入社1年目社員のキャリア満足度調査(株式会社キャリタス)

勤務先企業への満足度は入社前と比較して減少

勤務先企業への満足度は入社前と比較して減少

同社の報告によると、勤務先企業への現在の満足度は72.8%で、入社を決めた在学時(79.5%)から6.7pt減少したという。満足度が特に高い項目は「人間関係」「社風」「有休取得」「勤務地」となった 一方で「キャリアパス」「給与・待遇」「給与・待遇」は比較的低い結果が報告されている。

また、入社後にギャップを感じたか尋ねる項目では「とてもギャップがあった」「ややギャップがあった」を合わせて5割強が何らかのギャップを感じたことが明らかになった。

さらに、就職活動中にもっと知っておけばよかったと思うことを尋ねる項目では「実際の仕事内容」がトップに挙げられている。なお、ギャップがなかった人では3割ほどであったが、ギャップがあった人では5割を超えており、顕著な差がみられた。

入社後の成長実感と研修状況

入社後の成長実感と研修状況

同社は続いて、入社後の成長実感について調査。「思っていた以上に成長できた」「思っていた通りに成長できた」の合計は6割強になったという。一方で3割を超える人が「思っていたほど成長できていない」「まったく成長できていない」と回答している。

さらに同社は、成長を実感できているグループとできていないグループに分けて、新入社員研修や配属後の研修などの状況を調査。新入社員研修の期間について「1週間以内」との回答は実感できているグループでは1割超、できていないグループでは2割近くになったという。

また「上司や先輩に質問・相談しやすい」との回答が、実感できているグループでは7割を超えた一方で、できていないグループは4割程度にとどまったことも報告されている。

転職意向と満足度や入社後のギャップ有無の関係

転職意向と満足度や入社後のギャップ有無の関係

次に同社は、現時点での転職意向について調査。「転職活動中」「転職活動はしていないが検討中」の回答割合が約4割になったという。さらに、転職活動中・検討中のグループは、満足度の平均が入社後に10pt以上低下していることが明らかになった。転職活動中・検討中のグループで特に不満の割合が高いのは「キャリアパス」で、半数が不満を感じていることも報告されている。

また、入社後にギャップがあった人の割合は、転職を考えていないグループでは4割強だったが、転職活動中・検討中のグループでは7割を超えたことも判明した。

なお、転職を検討している理由としては「収入を上げるため」「自分の能力や適性に合わない」「会社や業界の将来に不安を感じた」がTOP3となっている。

まとめ

入社前後のギャップ有無が、入社後の転職意向に大きく影響している様子がうかがえる調査結果となった。ギャップがあった人は、特に実際の仕事内容について「もっと知っておけばよかった」と感じていることも明らかになっており、入社前に十分な説明を受けられていないと推察される。採用の過程や内定後フォローなどにおいて、仕事内容への理解を深められるプログラムの重要性が示されたと言えるだろう。

また、入社後の研修等で上司や先輩に質問・相談しやすい状況がある人とない人とでは、成長実感に差があることも判明した。成長実感が薄れれば、満足度の低下や転職意向の高まりを招く可能性も高い。研修期間や内容だけでなく、上司や先輩とのコミュニケーション環境についても配慮が必要そうだ。

本調査結果には、新入社員の離職防止に向けた取り組みの参考となる部分が大いにある。4月には新入社員を迎えるという企業も多いだろう。ぜひ参考にしていただきたい。