法律・税務の専門職で広く生成AIの活用が拡大 トムソン・ロイター調査
トムソン・ロイター株式会社は、法務、税務・会計・監査、企業のリスク・不正管理、政府機関の専門家1702名を対象にオンライン調査を実施。生成AIに対する姿勢、職場での生成AI使用に関する考え、今後の影響など、法律・税務の生成AI利用動向を明らかにした。
調査概要
調査期間:2025年1月・2月
調査対象:企業の法務、税務、リスク管理部門、外部の法律事務所、税務・会計事務所、政府の法務部門、裁判所の1702人
米国(42%)カナダ(15%)英国(12%)オーストラリア(12%)ブラジル(9%)ニュージーランド(6%)アルゼンチン(5%)メキシコ(1%未満)
出典元:専門家サービスにおける生成AIレポート2025~戦略的活用の次のステップに向けて~(トムソン・ロイター株式会社)
生成AIに対する意識は劇的に変化
生成AIが徐々に進化する中、現在積極的に利用していると回答した組織は22%で、2024年の12%からほぼ倍増しているという。また、回答者の50%が今後の使用計画を策定中もしくは使用するかどうか決めかねている状況にあると回答したことも報告された。
さらに、79%の税理士事務所が2027年までに生成AIの大幅な統合を見込んでおり、生成AIに対する意識が最も劇的に変化していることが判明。生成AIを日常業務に活用すべきであるとの考えを示す人は、2024年の52%から現在では71%に増加した。一方で仕事における生成AIに対する認識について「ためらいがある」「懸念がある」「怖い」と回答した人は、この1年で12pt減少している。
また、法律事務所の専門家の10%は、生成AIを収益に対する重大な脅威と見なしているのに対し、50%は生成AIの将来に関心または希望を抱いていることが明らかになった。生成AIは専門知識に取って代わるものではなく、強化する補完的ツールであると考えているようだ。
一方で、生成AIのトレーニングについて「受けたことがない」と回答した人が64%にも及ぶことが判明。同社は生成AI利用に関するポリシーとトレーニングの必要性について指摘した。
まとめ
同社は本調査結果を受けて、専門サービス業界において生成AIの将来に対して肯定的な認識が高まり続けていると分析。組織が生成AIを活用するために、有用性の把握やポリシーと手順の制定、従業員教育や人材確保が必要だと提言した。
本調査結果からは、生成AIが専門サービス業界において、ディスラプターとはなっていない様子がうかがえる。生成AIの普及を脅威と捉える専門家は減少傾向にあり、専門知識や専門家の業務を強化するツールとしての活用が、今後さらに進められていくことだろう。参考にしていただきたい。














