「管理職」「専門家」を目指す新入社員が減少 ALL DIFFERENT調査

ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®︎」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®︎は、3月25日~4月24日の期間で、2025年度入社の新入社員3933人を対象に「新入社員意識調査」を実施。今回、2025年度新入社員のキャリア志向に関する調査結果を公表した。
調査概要
ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員意識調査2025(3933人のキャリア志向編)」
調査対象者:同社が提供する新入社員研修に参加した 2025年度入社の新入社員
調査時期:2025年3月25日~2025年4月24日
調査方法:Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
サンプル数:3933人
出典元:【新入社員意識調査2025(3933人のキャリア志向編)】将来会社で担いたい役割、管理職」「専門家」12年で徐々に減少、「なし」「今後決めたい」が増加傾向| ニュースリリース |組織開発・人材育成(ALL DIFFERENT株式会社)
※各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外とする
※構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある
担いたい役割「キャリア志向なし」が23.3%で過去最高

本調査ではまずはじめに、将来会社でどのような役割を担いたいか質問。その結果「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)(27.0%)」「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)(25.2%)」「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい(23.5%)」「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい(23.3%)」が上位に挙げられたという。
男女別で集計結果を見ると、男性のトップは「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)(31.1%)」で、女性は「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていきたい(29.6%)」がトップであった。なお、回答割合の高い項目の順序は「わからない」を除いて、男女ですべて逆転する結果となったこともわかった。
同社はこの設問について、2014年度から12年間、各年度の新入社員の回答結果を比較。その結果「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」は過去最高の割合であることが判明したという。「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」の回答割合も徐々に増加傾向にあると報告した。一方「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」の回答割合は、11年前に比べて9.4ポイント低く、過去最低の割合となったという。
管理職になりたい理由「人を束ねて大きな仕事をしてみたい」

続いて本調査では、将来担いたい役割の質問で「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」を選んだ回答者に対し、リーダーになりたい理由を質問。上位の回答には「人を束ねて、大きな仕事をしてみたいから(36.6%)」「仲間と仕事をするのが好きだから(34.6%)」「将来経営層として会社を引っぱっていきたいから(21.8%)」が挙げられたという。
「仲間と仕事をするのが好きだから」は11年前の23.7%から10ポイント以上増加した一方「将来経営層として会社を引っぱっていきたいから」は11年前の37.5%と比較して15ポイント以上減少傾向にあることが判明。「人を束ねて、大きな仕事をしてみたいから」は過去最高の割合で、微増傾向だったと報告されている。
専門家になりたい理由「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたい」

次に本調査では、将来担いたい役割の質問で「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」を選んだ回答者に回答理由を質問。その結果「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたいから(55.2%)」「専門家として一つの分野を追究してみたいから(37.3%)」が上位に挙げられている。
「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたいから」は2024年度は減少に転じたというが、2014年度の42.5%と比べると依然として高い割合を保っていることがわかる。「専門家としてひとつの分野を追求してみたいから」は2016年度から減少傾向だったというが、2023年度から増加傾向に転じているようだ。
リーダーのイメージ「リーダーシップが求められそう」

さらに本調査では、リーダーに対するイメージについて質問。回答の上位には「リーダーシップが求められそう(51.5%)」「成長できそう(35.3%)」「やりがいがありそう(34.7%)」が並んでいる。
同社は、将来担いたい役割を尋ねる項目で管理職を選択した人を「リーダーになりたいと回答した人」とし、それ以外の回答を選択した人を「リーダーになりたいと回答していない人」と分類。それぞれリーダーのイメージ像に対する回答について比較している。
その結果、リーダーになりたいと回答した人のイメージの上位には「やりがいがありそう(50.3%)」「リーダーシップが求められそう(48.0%)」「成長できそう(44.8%)」が挙げられたという。一方で、リーダーになりたいと回答していない人からは「リーダーシップが求められそう(52.7%)」「難しそう(33.4%)」「成長できそう(32.1%)」との声が多く寄せられたことがわかった。
まとめ
本調査では新入社員の働き方に対する価値観が多様化している様子がみられた。一方で「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」「今後決めていきたい」が増加傾向にあることも判明している。
同社の報告によると、キャリア形成支援について会社に期待することとして最も多く挙げられたのは「上司に相談できる機会をつくってほしい」だったという。若手のキャリア自律に向けて、自社の相談体制を見直す機会としてみてはいかがだろうか。