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正社員の副業・兼業を認めている大企業は55.2% みらいワークス調査

2025.06.25

株式会社みらいワークス(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡本祥治)は、大企業に勤める人事・労務担当者500名を対象とした「副業・兼業に関する人事制度の実態調査」を実施した。

調査概要

調査概要:副業・兼業に関する人事制度の実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年5月29日〜6月3日
有効回答数:500
調査対象:従業員規模1000名以上(製造業)または500名以上(その他・サービス業)の企業で、人事や労務管理に関わる会社員(正社員)と会社役員
出典元:株式会社みらいワークス
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない

副業・兼業を認める企業が55.2% 新制度整備中の企業も

副業・兼業を認める企業が55.2% 新制度整備中の企業も

本調査ではまずはじめに「貴社の正社員における副業・兼業制度の現状について、該当するものを1つお選びください」と質問。その結果「禁止(副業・兼業を一切認めていない)(26.0%)」は3割未満にとどまっており「例外的許可(特別な事由がある場合のみ個別に許可)(18.8%)」 「条件付き許可(事前に定めた条件を満たせば許可)(24.6%)」「業務委託など非雇用型の副業・兼業のみ許可(雇用による副業・兼業は不可)(4.4%)」「原則自由(法令・社内規定に反しない限り自由)(7.4%)」と、合わせて55.2%の企業が副業・兼業を認めていることが明らかになった。「現在は禁止だが、新たな制度を整備中(18.8%)」との回答も一定数みられており、今後さらに解禁する企業が増えると考えられる。

6割超が実施する外部の副業・兼業人材受け入れ、自社制度と異なる対応も

6割超が実施する外部の副業・兼業人材受け入れ、自社制度と異なる対応も

続いて「貴社では他社の従業員(常用労働者)を副業・兼業人材として受け入れていますか」との質問では「非雇用型(業務委託など)のみ受け入れ(26.4%)」「雇用型(アルバイトなど)のみ受け入れ(21.0%)」「非雇用型・雇用型ともに受け入れ(15.0%)」と、62.4%の企業で受け入れが実施されていることが判明。「受け入れていない(37.6%)」は4割未満にとどまったという。

同社はQ1とQ2の結果をクロス集計した結果、自社の正社員の副業・兼業を「認めている」企業では72.8%が他社の従業員を副業・兼業で受け入れているのに対し、自社の正社員の副業・兼業を「禁止している」企業では、受け入れているのは49.6%であったと報告。自社の正社員の副業・兼業を「禁止している」企業でも、約半分が副業・兼業の外部人材を受け入れていることを明らかにした。

6割超が社内規定を整備 就業規則での対応が主流

6割超が社内規定を整備 就業規則での対応が主流

次に本調査では「副業・兼業に関する社内規程の整備状況について、該当するものを1つお選びください」と質問。その結果「就業規則に含まれている(50.0%)」「通達・ガイドラインのみ(19.6%)」「独立した規程として存在(12.8%)」「口頭でのルールのみ(7.2%)」「特に定めていない(7.6%)」「現在、新たな規程・規則を準備中(2.8%)」との回答が寄せられたという。

また、Q1とQ3をクロス集計した結果、独立した規程や就業規則で副業・兼業について定められているのは、正社員の副業・兼業を認めている企業では56.1%だったのに対し、副業・兼業を禁止している企業では71.0%であったことが判明している。

副業・兼業を禁止する理由と解禁する理由 運用上の課題は?

副業・兼業を禁止する理由と解禁する理由 運用上の課題は?

副業・兼業を禁止する理由については「社内業務への支障(55.4%)」「労務管理の困難さ(40.2%)」「機密情報流出のリスク(36.6%)」「従業員の健康・メンタルヘルスへの懸念(35.7%)」などが多いようだ。

一方で、副業・兼業を解禁する理由については「従業員の自律的なキャリア形成(42.8%)」「多様な働き方の実現(ダイバーシティ促進)(37.7%)」「従業員のモチベーション向上(35.1%)」といった声が多く寄せられている。

また、副業・兼業制度の運用における特に重要な課題としては「情報セキュリティの確保(40.6%)」「健康管理・メンタルヘルス管理(39.5%)」「労働時間の適切な把握(37.3%)」「本業のパフォーマンス維持(34.4%)」などが上位に挙げられた。

まとめ

副業・兼業について、半数を超える企業が既に認めており、今後さらに解禁する予定のある企業が約2割にも及ぶことが明らかになった。受け入れについては6割超の企業で実施されており、自社の従業員には禁止している企業でも、約半数が受け入れを実施している。

政府は2027年度以降に「希望者全員が原則として副業・兼業を行うことができる社会にする」という指標を示しており、副業・兼業が当たり前という時代はそう遠くないとも考えられる。

一方で、副業・兼業の実施においては情報管理や労務管理の課題が多く挙げられており、これらの対策を進めていく重要性がより高まりつつあると言えるだろう。同社は「副業・兼業の仕組みづくりを通じたリスキリングの促進は、企業の成長や持続可能な組織への発展において、より重要な要素となっていくでしょう」と提言する。副業・兼業で得た知識や磨いたスキルが本業に還元される仕組みづくりも含め、体制の整備状況を見直す機会としてみてはいかがだろうか。

参考:働き方改革実行計画(内閣府)