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上半期(1-6月)の物価高倒産が3年連続で300件台の高水準 TSR調査

2025.07.08

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2025年上半期(1-6月)の企業倒産(負債1000万円以上)のうち、仕入コストや資源・原材料の上昇、価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(私的・法的)した企業を集計、分析。2025年上半期(1-6月)の物価高倒産が、3年連続での300件台となったことを報告した。

前年同期比8.5%減も300件台の高水準

前年同期比8.5%減も300件台の高水準

TSRは、2025年上半期(1-6月)の原材料高騰などに伴う「物価高」倒産について、343件(前年同期比8.5%減)だったことを報告した。2022年からの円安局面では、上半期に前年同期を初めて下回ったものの、2023年同期以降、3年連続で300件台の高水準で推移しているという。

また、負債総額は1537億700万円(同29.2%増)で、前年同期を大きく上回ったことが判明。TSRによれば、2月に民事再生法の適用を申請した丸住製紙株式会社(負債590億円)が押し上げた形だという。

業種でみると、最多は飲食店の43件。前年同期(27件)の約1.6倍に急増したことがわかった。食材費や水道・光熱費などの上昇が収益を圧迫しているようだ。さらに形態別では「破産:311件(構成比90.6%)」が大半を占めており、資本金別では「1千万円未満:202件(同58.8%)」が半数以上となっている。小・零細企業ほど物価高による深刻な影響を受けていることがわかる。

出典元:上半期(1-6月)の「物価高」倒産343件 小・零細企業を直撃、飲食店が約1.6倍増に(株式会社東京商工リサーチ)

まとめ

2025年上半期(1-6月)の全国企業倒産状況レポート公開を前に報告された、物価高倒産状況。前年同期と比べると若干の減少がみられたものの、未だ高い水準で推移している状況だ。

特に厳しい状況となっているのは、小・零細企業とみられている。資本金1千万円未満が約6割を占めており、物価高の影響を強く受けていることがわかる。コロナ禍での過剰債務に加えて、コストアップ分の価格転嫁がスムーズに行えていない小・零細企業にとって、物価高は資金繰りの大きな負担となっていることだろう。

当面は高水準での推移が予測されている物価高倒産。今後の動向にも引き続き注目したい。