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「後継者難」倒産が過去2番目の高水準、上半期で230件 TSR調査

2025.07.15

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2025年上半期(1-6月)の「後継者難」倒産について集計結果を報告した。本調査は2025年上半期(1-6月)の「人手不足」関連倒産(負債1000万円以上、後継者難・求人難・従業員退職・人件費高騰)のうち「後継者難」を抽出し、分析したもの。

前年同期下回るも過去2番目の高水準

前年同期下回るも過去2番目の高水準

TSRの報告によると、2025年上半期(1-6月)の後継者不在が一因の「後継者難」倒産(負債1000万円以上)は、230件(前年同期比10.1%減)に。上半期では2年ぶりに前年同期を下回ったものの、過去最多だった前年の256件に次いで過去2番目の高水準となっている。

TSRは要因別の分析結果についても報告。代表者などの「死亡(103件/同20.7%減)」については前年同期を下回ったという。一方で「体調不良(93件/同5.6%増)」「高齢(29件/同7.4%増)」の2要因は、過去最多を更新したことが明らかになった。

また、資本金1000万円未満が143件(構成比62.1%)と6割を超え、形態別では破産が215件(同93.4%)と9割超に。TSRは「小・零細企業ほど代表者への依存が高く、代表者が健康上の問題を抱えると事業継続に大きなダメージを与えかねない」と指摘している。

出典元:上半期の「後継者難」倒産 2番目の230件 高齢化の加速で、事業承継の支援が急務に(株式会社東京商工リサーチ)

まとめ

2025年上半期の「後継者難」倒産が過去2番目の高水準を示していることが明らかになった。事業承継の支援は急務と言えるだろう。特に小規模な企業が占める割合は高く、代表者への依存度が高い小・零細企業ほど、支援の重要度が増しそうだ。

政府や金融機関は、事業承継や廃業支援に取り組んでいるというが、その中でもこのような高水準となった背景として、本人の意思確認が最も重要であることから、スムーズに事業承継が進まない企業も多いとTSRは分析する。そうした状況もあり「後継者難」倒産は今後もしばらく落ち着く気配はみられず、高水準を維持すると見込んでいるようだ。

中小企業庁では事業承継を後押しすべく、様々な支援策を提供している。こちらも併せて参考にしていただきたい。

参考:事業承継の支援策(中小企業庁)