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過去20年で最高の671.1万円「上場企業平均年収」2024年度 TDB調査

2025.07.16

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年度決算期(2024年4月-2025年3月期)を迎えた上場企業のうち、有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある企業を対象に調査を実施。2024年度の上場企業の平均年間給与が、過去20年で最高の671万1000円となったことを報告した。

※持ち株会社などの業態、社員数などで対象を限定せず。業種分類は金融庁の定めに準じた

過去20年で最高「上場企業」24年度平均給与671.1万円

過去20年で最高「上場企業」24年度平均給与671.1万円

TDBの方向によると、2024年度決算期(2024年4月-25年3月期)の全上場約3800社における平均年間給与(平均年収、提出された有価証券報告書に基づく)は671万1000円となっている。4年連続で前年度を上回り、2023年度の651万4000円に比べて19万7000円・3.0%増であった。TDBは平均給与・前年度からの増加額・伸び率ともに過去20年で最高となったことを報告している。

2023年度から2024年度の増減を比較すると、前年度から平均年間給与が「増加」した上場企業の割合は75.0%で、過去5年で最高を更新したという。増加率でみると「(2.5%以上)5%未満(23.7%)」が最も多く「(5%以上)10%未満(19.4%)」「10%以上(9.5%)」という企業もあったようだ。

産業別にみると「製造業:平均681万2000円(前年度661万円、+20万2000円・+3.1%)」「非製造業:平均665万1000円(前年度645万8000円、+19万3000円・+3.0%)」となっている。製造業・非製造業ともに、平均給与額および前年度からの増加額は過去20年で最高だという。このうち、最も平均年間給与が高い業界は「海運業(1052万3000円)」で、全業界で唯一の1000万円超えとなっている。なお、前年度から最も伸び率が高かった産業は「陸運業:13.7%増(645万円)」と報告されている。

出典元:上場企業の「平均年間給与」動向調査(2024年度決算)(株式会社帝国データバンク)

まとめ

TDBは上場企業における平均給与額の上昇傾向が目立ったことについて、人手不足を背景とした処遇改善目的の賃上げ機運が高まったことなどが影響していると分析する。集計可能な2003年度以降で、初めて600万円台を記録した陸運業については、ドライバー不足の解消目的での賃上げ動向の影響が大きいとみている。

2025年度についても引き続き、物価高や人材確保を目的に初任給などの給与テーブルを大きく引き上げるケースが目立っているようだ。しかし一方では、輸出関連の製造業を中心に、米国の関税政策の影響など業績を下押しする不安材料があり、懸念する声も。今後どこまで賃上げムードが続いていくか、引き続き動向に注目したい。