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DX推進にAI活用が急速に進む一方で8割が課題感 トゥモロー・ネット

2025.07.16

株式会社トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、代表取締役社長:李昌珍)は、2025年5月に実施した「企業におけるDX化・AIリテラシーの現状に関する調査 2025」の結果を発表した。本調査は日本企業におけるDXおよびAI、システム導入の実態を明らかにすることを目的として、AIサービス導入の現状の課題と今後の展望について調査したもの。

調査概要

調査方法:インターネット調査
対象エリア:全国
調査対象:会社員(社内IT導入に関して決裁権を持っている方、社内IT導入を提案できる立場にある自社内にお勤めの方、社内ITサービスを上申できる立場の方、現場で実際にAIを利用している方)
サンプル数:1033
調査実施日:2025年5月
出典元:企業におけるDX化・AIリテラシーの現状に関する調査2025(株式会社トゥモロー・ネット)

9割以上の企業がDXを推進、業務効率化が主な目的

9割以上の企業がDXを推進、業務効率化が主な目的

本調査では企業におけるDXの推進状況について質問しており「全社的に推進中(63.3%)」「部門単位で推進中(27.4%)」と、全体の9割以上がDXを推進していることが明らかになった。

さらに、DXを推進する目的としては「業務効率化(69.5%)」が最も多いという。そのほか「コスト削減(13.3%)」「新規事業創出(6.3%)」「社内データ活用(4.9%)」「顧客満足度向上(3.5%)」といった回答もみられた。

また、今後のAIサービス導入にあてる予算規模は29.7%が「3000万円以上」と最多。今後のAIサービスの導入意向として「積極的に導入したい(43.5%)」とする企業が多い。

導入により実感する成果と導入後の印象の変化

導入により実感する成果と導入後の印象の変化

AIサービス導入後の成果についての質問では「業務の自動化(55.9%)」「データ分析の高度化(44.9%)」「コスト削減(37.3%)」などの回答が多く寄せられている。

本調査では、AIサービスを社内業務、顧客対応で導入している企業それぞれに対して、導入後の印象の変化についても質問。その結果「期待以上で、より積極的に活用したいと感じるようになった(社内業務:41.2%、顧客対応:44.3%)」「想定通りで、現状維持で使っていきたい(社内業務:49.9%、顧客対応:47.3%)」と、どちらの用途においても9割以上がAIサービスの導入に満足し、より積極的な活用や今後も活用の継続を望んでいることが明らかになった。

活用における課題感と今後の取り組み

活用における課題感と今後の取り組み

一方で、AIサービスを利用するうえで約8割が課題を感じていることも判明。具体的には「期待したアウトプットが得られない(33.3%)」「トラブル時の対応に困る(31.8%)」「効果が実感しにくい(26.8%)」「社内で相談できる相手がいない(19.3%)」などがあるようだ。

さらに、AIサービス運用における課題についても、約8割が課題を抱えていると回答したことも明らかになった。具体的な課題として「社内で使いこなせない(40.1%)」「セキュリティやプライバシーの懸念(34.7%)」「適切な活用シーンが不明(26.3%)」「効果測定ができない(25.4%)」「導入後の運用が難しい(25.3%)」などが挙げられている。

なお、AIサービス導入が進むために必要だと感じることとしては「社内のAI人材育成( 60.6%)」が最も多く挙げられた。

まとめ

企業のDX推進によってAIサービスの導入が進んでおり、今後の活用について前向きな声も多く寄せられていることがわかった。一方で利用面・運用面ともに。課題感を示す人も約8割となっている。運用支援や社内浸透に向けた取り組みの重要性が示唆されたと言えるだろう。

また「人材育成」の必要性についても多くの企業が挙げており、社内のAI人材をいかに育てていくかが、AIサービス導入を促進する上で大きなポイントとなりそうだ。経済産業省では、デジタル時代の人材政策に関する検討会での議論を踏まえ「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」を取りまとめている。こちらも併せて参考にしていただきたい。

参考:「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」 を取りまとめました(経済産業省)