令和7年度の税制改正に対応の準備ができている担当者は3割程度 freee調査
フリー株式会社(本社:東京都品川区、CEO:佐々木大輔)が提供する「freee人事労務」は、年末調整業務を担当する500人を対象に令和7年度の税制改革について調査。年収の壁が103万円から160万円に変わったことや、学生アルバイト向けに新設された控除などについて、認知度や対応に関する調査結果を公開した。
調査概要
調査期間:2025年6月19日〜2025年6月27日
調査方法:WEBアンケート方式
調査対象:21〜1000名規模の企業に勤める年末調整業務担当者
有効回答:500件
出典元:freee人事労務、令和7年度の税制改正の認知度と年末調整に関する調査データを公開 年収の壁の引き上げに関する実務の準備ができている企業は3割程度(フリー株式会社)
年末調整業務に約85%が負担感
本調査では年末調整業務で負担を感じている業務について質問。その結果「回収した情報に不備がないかの確認(22.4%)」「期日までの書類回収・督促(16.4%)」「特に負担を感じているものはない(14.4%)」などが挙げられ、合わせると約85%が年末調整業務に対して何らかの負担を感じていることが明らかになった。
また、年末調整に関する情報収集ニーズは9月ごろから高まり始め、10月がピークとなることも判明。11月も引き続き情報収集を行うという結果に。今年の年末調整は税制改正の内容が例年よりも複雑になことから年末調整業務の煩雑化が予想される。しかし、情報収集開始時期を「例年通り10月にする」と回答した担当者が5割近くにのぼている点に注目している。
令和7年度の税制改正 理解・対応準備できているのは3割程度
続いて、令和7年度の税制改正による新制度の年収の壁について、どの程度理解できているか質問。その結果「なんとなく知っているが詳細は理解しきれていない(63.2%)」が最も多く、「制度について理解できており、実務上の対応準備もできている(31.8%)」は3割程度にとどまっている。また「年収の壁引き上げという言葉自体を聞いたことがない(5%)」との回答もみられたという。
また、今年度の改正で新設された学生アルバイト向けの特定親族特別控除についても「なんとなく知っているが詳細は理解しきれていない(58%)」が最も多く、次いで「制度について理解できており、実務上の対応準備もできている(31.2%)」「特定親族特別控除という言葉自体を聞いたことがない(10.8%)」が続く結果となっている。
2025年の年末調整での不安と課題
次に、今年の年末調整において不安なことについて質問。その結果「従業員に対して正しく年末調整の案内を行えるか」「制度の内容を正しく理解できるか」「従業員からの問い合わせに正しく答えられるか」が上位にランクインしたという。
また、年末調整における従業員からの情報回収(生命保険料控除の証明書や、扶養に関する書類等)のためのシステム導入を検討する上での懸念点としては「従業員がシステムを使いこなせない」「どのシステムを選べばいいかわからない」との声が寄せられている。
なお、年末調整で特に負担に感じていることは、紙で回収を行う企業・システムで回収を行う企業いずれも「従業員から回収した情報に不備がないかの確認・チェック」がトップに挙げられたという。
まとめ
今年の税制改正は例年よりも複雑で、担当者の年末調整業務が煩雑化することが予想される。一方で、本調査では改正について十分に理解・準備ができている担当者は3割程度にとどまっており、認知度が低いことが明らかになった。
今年の年末調整では、改正により扶養控除等の対象となる親族等が増えるケースや、特定親族控除の摘要となり申告書が必要となるケースなどがある。従業員に正しく案内するためにも、まずは担当者が改正内容をしっかりと把握する必要があるだろう。国税庁の発行する資料等で今一度、改正内容や年末調整の注意点を確認したい。
参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(国税庁)











