ストレス要因を排除すれば、「会社の飲み会」満足度は高められる? 飲酒科学振興協会調査
九州大学都市研究センターでは、株式会社三和酒類と共同して、会社飲み会が社員の満足度やストレス、組織への影響にどのように関与しているかを明らかにすることを目的に、全国の企業勤務者7500名を対象とした大規模オンラインアンケート調査を実施した。
満足度を左右するのは「参加の自由度」「参加費」「開催時間」
本調査は、楽天インサイトを通じて、全国の企業に勤務する20歳以上の社会人7500名を対象に、オンラインアンケート形式で実施。調査では、性別、年齢、職種、居住地域などの基本属性に加え、飲酒習慣やアルコール体質、会社飲み会の参加状況、満足度、ストレス要因、さらには飲み会が仕事や人間関係に与える影響など、幅広い視点からデータを収集している。
分析の結果、参加者が非常に満足と答えた会社飲み会の要因としては「参加の自由度(男性:12.84%、女性:17.21%)」「参加費(男性:11.22%、女性:17.35%)」「開催時間(男性:7.83%、女性:9.06%)」が上位に挙げられたという。また、女性は男性と比較して、多くの要因について満足度が高い傾向を示したことも判明している。
次に、参加者が非常にストレスを感じると答えた会社飲み会の要因については「酔っ払いによる騒音や迷惑行為(男性:30.81%、女性:48.85%)」「気分・体調が優れない(男性:27.35%、女性:46.86%)」「上司の振る舞い(男性:26.67%、女性:43.33%)」が多く挙げられたという。本設問においても、女性はすべての項目で男性より高い割合を示しており、性別に配慮した飲み会運営の必要性が示唆された。
出典元:やさしい酔い研究会(一般社団法人飲酒科学振興協会)
まとめ
一般社団法人飲酒科学振興協会は本研究成果から、会社の飲み会における満足・ストレス要因について、年齢や雇用形態(正規・非正規)、職位(管理職・一般職)といった職場内の階層的要因が影響を与えている可能性があると分析。今後は層別化分析を行うことで、より包括的かつ実態に即した、実践的な指針を提示することに期待しているようだ。
また、企業が実践できるオーダーメイドの「飲み会最適マニュアル(仮称)」を開発することを目標に掲げていることを発表。社員の誰もが無理なく参加でき、適度な距離感と交流が保てる飲み会を提示することで、企業文化の持続的な健全化を目指すという。
社内コミュニケーションのひとつとして利用されてきた飲み会だが、アルコールハラスメントや参加圧力への懸念から、その在り方を見直す動きもみられている。飲み会は仕事とは異なる場だからこそ、普段は見えない一面を知る機会となるメリットもある。今後の運営について、参加者がストレスを感じないような工夫も踏まえて検討する機会としていただきたい。














