約8割が会社の暑さ・熱中症対策「未実施」「不十分」 日本シグマックス調査
日本シグマックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木洋輔)は、働く人を対象にした「職場での暑さ・熱中症対策に関する実態調査」を実施。2025年6月1日から職場における熱中症対策を労働安全衛生規則改正により罰則付きで義務付けられたことを受けて、職場で行われている暑さ・熱中症対策の実態を明らかにした。
調査概要
調査期間:2025年7月8日~7月10日
調査対象:全国の建設・製造・運送・鉄鋼・電気通信・電気ガス水道等の業務に従事する25~55歳男女計2208人のうち、企業に勤め、屋内屋外を問わず、夏期もしくは年中暑い環境で働く機会があると回答のあった283名について分析。※不誠実回答(無意味な自由記述等をしている)は除外
調査方法:インターネット調査
調査機関:日本シグマックス株式会社調査
出典元:調査結果のご報告「職場での暑さ・熱中症対策に関する実態調査」(日本シグマックス株式会社)
暑さがもたらす影響は?会社の対策「不十分」が約8割
本調査によると暑熱環境下で働く283名のうち、81.3%が「暑さによって仕事の効率に影響がある」と回答。そのうち3人に1人が「熱中症や脱水症状などの体調不良」と「暑さが原因の体調不良による欠勤」を経験していることが明らかになった。また、暑さが原因による「集中力や判断力の低下」を感じているとの回答も半数を超えたという。
続いて会社が実施している暑さ・熱中症対策に対する印象について質問。その結果「十分に実施している」という回答は21.9%にとどまり、78.1%は「実施していない(25.4%)」「実施しているが不十分(52.7%)」と感じていることがわかった。さらに、会社が実施している暑さ・熱中症対策に加えて自己負担で暑さ対策を行っている人は6割を超えるという。
同社は同じテーマで2023年に実施した調査の結果と比較して、大きな変化がないことを報告。2025年6月1日の労働安全衛生規則改正により、職場における熱中症対策が罰則付きで義務付けられたが、会社で実施している暑さ・熱中症対策にはまだ課題が多く、十分な改善が行われていないと分析した。
会社が行っている暑さ対策と自身で追加実施している暑さ対策
会社が行っている暑さ対策としては「エアコンの設置(50.7%)」が最も多く、次いで「飲料の支給(36.2%)」「食品の支給(33.5%)」が挙げられている。それに対して、会社が直近で取り入れた暑さ対策として多かったのが「ファン付きウェアの支給(20.4%)」「冷却グッズの支給(17.6%)」だったという。
次に本調査では、自己負担で追加で実施した暑さ対策の内容について質問。「涼しい下着・インナーの購入(42.9%)」「飲料の購入(42.0%)」「汗拭きシート・制汗剤スプレーの購入(41.2%)」との回答が上位に並んだという。
また、前年に実施した暑さ対策による自己負担額については「1万円以上(41.2%)」との回答が4割を超え、その内容として「ファン付きウェア(44.9%)」が上位にランクインしている。
さらに本調査では「暑さ対策の自己負担額が1万円以上」と回答した人について、年代別に分析。その結果「50歳以上55歳未満」が最も多く、35歳未満といった若年層は少ない傾向にあることがわかった。
まとめ
暑熱環境下での労働現場では、3人に1人と高い割合で体調不良や欠勤が生じているにも関わらず、職場での暑さ・熱中症対策について「未実施」「不十分」との声が多く寄せられている。今年6月からは職場における熱中症対策について罰則付きで義務付けられたが、十分な対策ができている企業は少ないようだ。
暑さ対策のために半数近い人が1万円以上を自己負担している状況からも、企業としての対策が不足していることがうかがえる。身体面はもちろん費用面においても、従業員の負担を軽減する取り組みが急務だ。
参考:職場における熱中症予防対策の周知事業(厚生労働省)














