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フリーランス新法・改正下請法を受け9割の企業が契約書の見直しを予定 Sansan調査

2025.07.31

Sansan株式会社は、契約書の作成・管理業務を担当する会社員(以下:契約担当者)1000名を対象に「契約の適切な履行に関する実態調査」を実施。2024年11月に施行されたフリーランス新法や2026年1月に施行される改正下請法など、企業の取引に関わる法改正が相次ぐ中、営業や調達といった契約履行を担当する実務担当者(以下:実務担当者)が適切に契約を履行しているかの実態を調査した。

調査概要

調査名:契約の適切な履行に関する実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:契約書の作成・管理業務を担当する会社員1000名
調査期間:2025年7月14日~2025年7月16日
調査企画:Sansan株式会社
出典元:Sansan、フリーランス新法・改正下請法を受け「契約の適切な履行に関する実態調査」を実施〜8割が契約を見直す一方、契約を履行するための体制に課題〜(Sansan株式会社)
※本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合がある

7割超が「社員が契約書の内容や有無を、誤解しているのを見聞きしたことがある」

7割超が「社員が契約書の内容や有無を、誤解しているのを見聞きしたことがある」

本調査では契約担当者に、社員が契約書の内容や有無を誤解しているのを見聞きしたことがあるか質問。その結果74.6%が「見聞きしたことがある」と回答した。誤解の内容としては「金額や支払い条件の誤解」「契約期間や終了条件の誤解」が多い。誤解が起きる要因については「内容変更を社内で共有できていない(43.2%)」「内容の理解を誤った(42.1%)」「間違った契約書を確認した(36.1%)」が上位を占めた。

さらに、誤解を見聞きしたことがある人に「契約書の内容や有無の誤解による金銭的な損失の有無」についても質問。76.1%の人が「発生したことがある」と答えた。

9割が見直しを予定も、実務担当者が「契約書の内容を確認できる企業」は3割未満

9割が見直しを予定も、実務担当者が「契約書の内容を確認できる企業」は3割未満

2024年11月に施行されたフリーランス新法では取引条件を書面で明示することが義務付けられた。新法施行を経て、フリーランスとの取引について「すべての取引で契約書を締結する運用に変更した(43.6%)」「一部の取引で契約書を締結する運用に変更した(35.5%)」と、約8割が契約書を締結するよう変更してることがわかった。

さらに改正下請法の対象企業に対し、2026年1月の改正下請法施行に向けて「新たな契約書締結や既存契約書の見直しを行うか」を質問。その結果「いずれも行う(42.8%)」「新たな契約書締結のみを行う(29.9%)」「既存契約書の見直しのみを行う(16.5%)」と約9割が改正に向けて、新たな契約書の締結や既存契約書の見直しを予定していることが明らかになった。

同時に「実際に営業や調達といった実務担当者自身が、契約書に記載された取引条件を即時に確認できるか」を質問。「実務担当者自身が即時に確認できる」と回答した企業は、3割未満だった。

まとめ

契約内容の変更を社内で共有できていないことが大きな要因となり、契約書の内容や有無について誤解が発生している実態が見えてきた。新法の施行や法改正に対応すべく、契約締結の運用や契約書の内容について見直しを予定する企業は多い。しかし現状として、実務担当者が契約内容を即座に確認できる環境は整っておらず大きな課題といえる。

同社は本調査結果を受けて「契約の見える化」と「現場の即時アクセス」の両立を図ることの重要性を指摘。締結から履行まで、適切に行える環境の整備が正しい取引の基盤になると提言している。本調査の結果を、自社での契約締結の運用の改善や構築の参考にしたい。