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20〜40代の7割超が共感する「静かな退職」 パーソルイノベーション調査

2025.08.01

パーソルイノベーション株式会社 lotsful Company(本社:東京都港区、lotsful Company代表:田中みどり)が運営する副業人材マッチングサービス『lotsful(ロッツフル)』は、全国の企業に勤める20~49歳の会社員を対象に「静かな退職」と副業に関する調査を実施した。なお本調査では「静かな退職」を「キャリアアップや昇進などを目指さずに必要最低限の仕事をこなすはたらき方」と定義している。

調査概要

調査手法:インターネット調査(Fastask)
調査対象:全国の企業に勤める会社員 20~49歳の男女
調査期間:2025年6月9日~6月16日
対象人数:661人
出典元:副業人材マッチングサービス『lotsful』、「静かな退職」と副業の実態調査(パーソルイノベーション株式会社)

若手社員ほど「静かな退職」に共感 昇進への関心低下が影響か

若手社員ほど「静かな退職」に共感 昇進への関心低下が影響か

本調査では「静かな退職」という考え方に対し「非常に共感する(26.2%)」「やや共感する(46.5%)」と回答した人が全体の72.7%にも上った。多くの人がこの価値観に理解を示していることが明らかになった。特に、新卒入社後3~5年未満の勤続層では、89.5%が「共感する」と回答。若手社員の間で、特にこの傾向が顕著であることが判明した。

共感する理由としては「ワークライフバランスを重視したい(45.3%)」「昇進・昇格に関心がない・したくない(33.6%)」が上位に。実際に、管理職への昇進意欲があると回答した人は全体の37.4%にとどまり、過半数が昇進に対して積極的ではない傾向が見られたという。

実践者は若年層・女性に多い傾向 本業は安定と副業の土台に

実践者は若年層・女性に多い傾向 本業は安定と副業の土台に

続いて、「現在『静』かな退職を実践している」と回答した人が全体の37.7%という結果を報告。20代女性で最も割合が高く、次いで30代女性、20代男性が続いた。また、新卒入社後3~5年未満の層においては、75.4%が実践していると回答。すでに、実際の行動としても定着しつつあることが浮き彫りになった。

さらに本調査では「静かな退職」という考え方に「非常に共感する」「やや共感する」と回答した人を対象に、今の本業に求める役割について質問。その結果「安定した収入源(46.6%)」「ワークライフバランスの取りやすさ(40.6%)」が上位になったという。また、実践している人と実践していない人を比較すると、実践している人のほうが「副業・社外活動の基盤」や「キャリアアップの土台」として本業を捉える傾向があることがわかった。

なお、実践者からは「心身の健康が改善された(32.3%)」「ワークライフバランスが改善された(28.9%)」といった声が寄せられており、ポジティブな変化を感じている人が多いようだ。

6割超が空いた時間を「副業」に活用

6割超が空いた時間を「副業」に活用

次に本調査では「静かな退職」によって空いた時間をどのように活用しているか質問。その結果、副業などの社外活動に活用している人が全体の64.3%にものぼった。

副業などの社外活動に活用している人は「本業への期待は変わらないが、気持ちにゆとりが生まれた(53.6%)」「やりがいを再認識し、本業へのモチベーションが上がった(20.5%)」など、副業や社外活動を通じて本業に対する気持ちに変化があったことも判明。本業を手放すことではなく、より持続可能な関わり方を模索する手段と捉えていることがうかがえる調査結果となった。

まとめ

ネガティブなイメージを抱きがちな「静かな退職」。しかし、空いた時間を副業に活用することで、メンタル面でよい変化を感じる人が多く、ポジティブな側面も垣間見えた。

同社は若手世代が主体的に選択した結果が「静かな退職」であると分析。柔軟な制度設計や関わり方で、社員一人ひとりの多様なキャリア観に寄り添っていくことが企業に求められていると提言した。人材育成の施策などの参考にしたい。