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2025年7月の国内景気は2ヵ月連続改善も、小規模企業は悪化 TDB調査

2025.08.06

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、全国2万6196社を対象とした2025年7月の国内景気動向を調査・集計。景気DIは先月に引き続き、小幅ながらも改善となっていることを発表した。今月も企業規模別の集計結果に焦点をあて、概要を紹介する。

2025年7月の景気DIは42.8 小幅ながら2カ月連続での改善

2025年7月の景気DIは42.8 小幅ながら2カ月連続での改善

TDBの発表によると、2025年7月の景気DIは42.8で、前月から0.1pt増と小幅ながらも改善が続いている。個人消費には依然として弱さが残るものの、自動車を中心に製造業の生産回復がけん引したことで上向き傾向が続いた。都市部での再開発事業もプラス材料となったようだ。

トランプ関税の日米交渉合意が発表され、不確実性はやや和らいでいる模様。今後の大きな焦点は個人消費の動向で、実質賃金の上昇や手取り収入をめぐる政策対応などが注目されている。

国内景気の今後の推移についてTDBは「引き続き人手不足や物価高といったマイナス要因はあるもののAI関連の設備投資や、訪日旅行客の増加などが下支えとなり、今後も横ばいで推移する」と分析している。

中小企業は8ヵ月ぶりに改善も小規模は再び悪化 規模間格差はさらに拡大

中小企業は8ヵ月ぶりに改善も小規模は再び悪化 規模間格差はさらに拡大

「大企業」(47.3):前月比0.2ポイント増
大企業では3カ月連続での改善となった。価格転嫁が進んだことや、自動車関連の復調などがプラスとなり「製造」「卸売」が好調のようだ。また「建設」はインフラ更新などによる建築・工事需要の堅調さから、3ヵ月連続で改善し、50近くに伸びている。

「中小企業」(42.0):前月比0.1ポイント増
中小企業は8カ月ぶりの改善に。資材価格の落ち着きや大型案件の増加がみられた「建設」で上向いたことが、プラスになっているようだ。一方で、物件価格が上昇し購入が伸び悩んだ「不動産」は、2カ月連続での悪化となっている。

「小規模企業」(40.9):前月比0.1ポイント減
2カ月ぶりに悪化した小企業では「農・林・水産」の下向きがみられている。生産費用の高止まりや、猛暑による生育や畜産能力の低下が背景にあるという。また、節約志向の高まりや円安傾向が影響した「卸売」でも、悪化がみられている。

調査概要

調査期間:2025年7月17日~7月31日
調査方法:インターネット調査
調査対象:調査対象2万6,196社、有効回答1万626社、回答率40.6%
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:2025年7月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)

まとめ

2カ月連続での改善がみられた国内景気だが、企業規模間格差は5.3と3カ月連続で拡大。8カ月ぶりの改善がみられた中小企業も、その上昇幅はわずか0.1と小幅だ。

人手不足や物価高が引き続き景気の重しとなる中で、個人消費の動向をどれだけ引き上げられるかが今後の重要なポイントとなるだろう。政策対応や賃上げの動向も引き続き注視したい。