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倒産リスク企業が全国で12.8万社、高リスク企業増加傾向2025年上半期 TDB調査

2025.08.19

帝国データバンク(以下:TDB)は、全国企業「倒産リスク」分析調査を実施。企業が1年以内に倒産する確率を10段階のグレードで表す指標「倒産予測値」が算出可能な147万社のうち、2025年6月時点で高リスク企業(グレード8~10)は全体の8.7%にあたる12万8552社となったことを報告。2024年12月と比較すると、1592社増加したことが明らかになった。

2025年倒産リスクが高い企業が増加傾向

2025年倒産リスクが高い企業が増加傾向

TDBの報告によると、2025年上半期の倒産件数は5003件(全国企業倒産集計 2025年上半期報)で、前年同期から116件増加。上半期としては2013年以来、12年ぶりに5000件を超える高水準での推移となった。TDBは、企業が1年以内に倒産する確率を10段階のグレードで表す指標「倒産予測値(※)」をもとに、2025年2月に続き、特にリスクが高い企業(グレード8~10)を「高リスク企業」ととらえ、分析を実施。

その結果、2025年6月時点で高リスク企業は、分析対象の約147万社のうち8.7%にあたる12万8552社となったことがわかった。半年前の2024年12月時点の12万6960社と比べて、1592社の増加となった。

※倒産予測値について
・倒産予測値とは今後1年以内に倒産する確率を個別企業ごとに算出したリスク指標
・現地現認の信用調査と、独自のネットワークによる変動情報などを集積した帝国データバンクが保有するビッグデータから、倒産に関係が深い要素だけに焦点を当て、独自の統計モデルにより算出
・個別企業ごとに予測したリスク指標をG1~G10の10段階のグレードに設定しており、G1が最も倒産リスクが低く、G10が最もリスクが高いグレードとなっていてグレードが高いほど実際に倒産が発生している

出典元:全国企業「倒産リスク」分析調査(2025年上半期)(帝国データバンク)

「製造業」が最多、半年前から4894社増加

「製造業」が最多、半年前から4894社増加

TDBは業種大分類別の分析結果についても報告。「製造業(3万3465社)」が2024年12月と比べて4894社増加し、最多となっている。次いで「建設業(3万20社)」が1203社増加で続いている。一方で「小売業(2万4050社)」では、2024年12月から2414社減少し「運輸・通信業(1万359社)」でも1704社の減少がみられた。

業種を細かくみると、高リスク企業数で最も多かったのは「職別工事業(1万4510社)」で、次いで多かった「総合工事業(1万1892社)」とをあわせて、高リスク企業数上位2業種は「建設業」が占めたことが判明。以下「運輸業(1万164社)」のほか、業種大分類では2024年12月比で高リスク企業数が減少している「小売業」の「飲食店」「飲食料品小売業」が上位となっている。

また、業種内の全企業に占める高リスク企業の割合(※出現率)については「出版・印刷・同関連産業(41.0%)」「飲食店(38.3%)」「皮革・同製品・毛皮製造業(37.6%)」が全体の出現率8.7%と比べて4倍以上と高い割合を示した。

まとめ

TDBは今後に次いて、中小企業の倒産リスクは高止まりする状況が続くとみている。物価高や人手不足、コロナ借換保証の返済本格化、トランプ関税など、厳しい経営環境が好転する兆しは乏しい。コスト構造の抜本的な見直し、価格転嫁の促進、生産性向上、人材確保・育成など企業の規模を問わず、さまざまな取り組みや改革、改善を余儀なくされているといえる。