成長につながる「フィードバック」の実態 リクルートMS調査
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑淳)は、従業員規模300名以上の企業に勤める22歳から59歳の正社員を対象に「職場におけるフィードバック実態調査」を実施。フィードバックの「受け取る」「生かす」「提供する」の3側面に注目し、それぞれの実践度や成長実感との関連を多角的に検証した。
調査概要
調査対象:従業員規模300名以上の企業に勤める22歳から59歳の正社員
実施期間:2025年5月16日~20日
調査方法:オンラインモニター調査
出典元:「職場におけるフィードバック実態調査」の結果を発表(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
フィードバックの「受け取り」について
本調査ではまずはじめに、フィードバックの「受け取り」について質問。直属の上司および同僚-部下からどの程度得られているかをたずねた項目で「上司からのフィードバック」は、管理職・一般社員ともに「良い点についてのフィードバック」「悪い点についてのフィードバック」をそれぞれ約6割の人が受けていた。また「同僚-部下からのフィードバック」では、「良い点について」は約5割「悪い点について」は4割半ばの人が受けている。
「良い点についてのフィードバック」は、「上司から」と「同僚-部下から」の間に有意差はなかったことが判明。一方で「悪い点についてのフィードバック」については「同僚-部下から」が「上司から」より有意に低い傾向が確認されたまた「フィードバックは役立っているか」という観点では「上司から」に対する肯定的回答は、管理職60.1%、一般社員63.6%であった一方「同僚-部下から」は、一般社員58.2%に対して、管理職が66.1%と有意に高かった。
さらに本調査では、心理的安全性が高い職場では仕事の経験の程度に関係なくフィードバックを得やすいことも明らかになった。
積極的にフィードバックを求める人は2割強
次に本調査では、フィードバックの「生かし方」について調査。フィードバックを「求めること」と「活用すること」についてたずねたところ「フィードバックをもらえるよう、積極的に周囲に働きかけている」と回答したのは2割強で、積極的にフィードバックを求める人は多いとはいえない実態が浮かび上がってきた。フィードバックを積極的に求めない理由としては「職場の文化がそうでないから」「相手に負担がかかるから」「課題が増えることを避けたい」などが多いようだ。
一方、フィードバックを求めている人は「定期的に振り返り会を設ける」「目的を明示してフィードバックを求める」といった問題や目的の共有などの工夫を行っている様子もみられている。
「フィードバックを活用」については「もらったフィードバックのうち、どれを利用するかは、自分で判断している」と回答した割合が、管理職では49.2%、一般社員では39.4%と、管理職の方が約10ポイント高かった。
フィードバックの「提供」
また本調査では「良かれと思ったフィードバックが、悪い結果につながった経験があるか」という問いに対して、管理職の41.1%、一般社員の32.6%が該当すると回答している。同時に、知見や経験をもつことで積極的な「フィードバックの提供」が可能になると回答。フィードバックを「提供する」ことについて、上司など目上の立場の人へのフィードバック、同僚-部下へフィードバックのいずれにおいても、 管理職の方が一般社員よりも有意に高い数値を示しているという。
なお、上司からのフィードバックの「受け取り」は、管理職・一般社員ともに約6割だったのに対して、上司へのフィードバックの「提供」は管理職が47.6%、一般社員が39.1%となっている。さらに、同僚-部下からのフィードバックの「受け取り」は、管理職・一般社員ともに「良い点」が約5割「悪い点」が約4割半ばであったのに対して「提供」は管理職で約6割半ば、一般社員で約4割半ばだった。
まとめ
同社は本調査結果を受けて「フィードバック=評価や指摘」とネガティブに捉えず、お互いのための双方向的な贈り物として、有益なフィードバックを増やしていくことを提案している。
有益なフィードバックが増えれば、自然と互いの成長や意欲向上にもつながっていくだろう。本調査結果は、社内でのフィードバックの在り方や考え方の見直しのよい参考資料になりそうだ。














