防災備蓄に約6割の企業が不安「点検・更新」が行き届かず キングジム調査
株式会社キングジム(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木村美代子)は、近年相次ぐ自然災害や、それに伴う国民の防災意識の高まりを受け、9月1日の防災の日を前に「企業の防災」に関する意識調査を実施した。
調査概要
調査期間:2025年7月16日~17日
調査対象:全国の企業に勤務する施設管理・防災担当者 450名
調査方法:インターネット
出典元:<企業の防災意識調査>防災備蓄率は約8割も、不安を感じている企業は約6割|企業が理想とする防災備蓄の条件は「使いやすさ・省スペース・簡単管理」(株式会社キングジム)
約8割の企業が防災備蓄実施も、約半数は「実際に使えるか」不安感示す
本調査ではまずはじめに、防災備蓄の実施状況について質問。その結果79.3%が防災備蓄を行っていることが明らかになった。一方で「備蓄品は、いざという時にすぐ使える状態か」とたずねた項目では、約半数が「一部不安を感じている」「どこにあるかわからない」と回答した。
さらに防災備蓄について、不安を感じることがあるかをたずねる項目では、約6割の企業が不安に感じていることが判明。その理由としては「点検・更新が行き届いていない(51.2%)」「備蓄場所が把握されていない(34.0%)」「使い方が分からない/マニュアルがない(28.4%)」などが多かった。
細分化が進む防災備蓄スタイル 企業の理想は?
続いて、防災備蓄に関する管理体制および保管場所について質問。「全社で一括管理し、共用の備蓄庫に保管している(58.7%)」との回答が最多となった。一方で「部署やフロア単位で管理している(38.7%)」「各社員が個別に管理・保管している(23.1%)」という回答も一定数、挙がった。働き方やオフィス環境の多様化に伴い、防災備蓄スタイルも細分化している様子がみられた。
そうした中で「理想的な企業の防災備蓄に求める条件」については「すぐ使える(使い方、展開が簡単)」が51.5%と最も多く、次いで「収納しやすい(省スペース)」「管理・点検が簡単」がともに37.1%で続いている。企業は「使いやすさ・省スペース・簡単管理」という条件を重視し、管理や保管の負担が少なく、日常業務の中で運用できる防災備蓄を求めているようだ。
まとめ
防災備蓄に取り組んでいる企業が約8割と、防災に対する意識が高まっている様子がみられた。一方で、点検や更新、備蓄場所など管理に関する不安を抱く声も目立つ結果となった。備えはできていても災害が発生したときに「十分な対応ができる」と言い切れないのが実情なのだろう。
災害発生時に「従業員の安全を確保する」ことは、企業の義務であると同時に事業の復旧や継続のためにも欠かせない取り組みである。内閣府は企業向けにパンフレットや取組事例を公開している。こうしたツールも活用しながら、防災備蓄品の準備や管理方法、社内の情報共有などを見直す機会にしたい。
参考:企業防災のページ(内閣府防災担当)














