8割超が実感「共働きの見えざる格差」 Job総研調査
パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、442人の社会人男女を対象に「2025年 共働き意識調査」を実施。共働きの見えざる格差や家事育児の分担割合への思い、収入差で家事育児分担を変えることへの賛否とその理由。また、共働き意識によるキャリアへの影響、そして”共働き=男女平等が進んでいるのか”などを調査した。
調査概要
調査対象:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国/男女/20~50代
調査期間:2025年8月1日〜8月7日
有効回答数:442人
調査方法:インターネット調査
出典元:Job総研『2025年 共働き意識調査』を実施(パーソルキャリア株式会社)
8割超が感じる「共働きの見えざる格差」
本調査ではまずはじめに、「共働きにおける見えざる格差の有無」について質問。その結果「あると思う派」が83.1%で大多数を占めたという。見えざる格差の中身としては「やって当然の空気感がある(43.2%)」「一方が無意識に家事を担う(41.4%)」「一方が諸々の調整を引受ける(32.6%)」が上位に並んだ。
続いて「共働き生活における家事育児の分担割合への思い」について質問。"男性"が多く担うことについては「違和感がある派(69.4%)」が約7割を占めた一方、"女性"が多く担うのは「仕方ないと思う派(56.6%)」が過半数に。また、”共働き生活で家事や育児は女性が多く担う”という考えへの印象について「理想的でないが実際多い(39.1%)」「社会ではその傾向が強い(35.5%)」といった声が多く寄せられた。
共働きによるキャリアへの影響「ある」が約7割
次に「共働きが前提になったことで、自身のキャリア選択に影響があるか」を質問。その結果「影響がある派(67.2%)」が7割近くを占めた。「ある」と回答した人が挙げた具体的な影響としては「場所や時間に制約を感じる(46.5%)」「転職、異動、昇進に慎重になる(39.7%)」「相手のはたらき方を意識する(35.0%)」だった。
「キャリア選択に影響がある派」を男女別にみると、男性が64.1%、女性が73.9%となり男女間にギャップが。さらに、共働き=男女平等が進んでいるのかたずねた項目では「進んでいると思わない派」が47.3%と、半数近くになった。
まとめ
「やって当然の空気感」や「家事を一方が無意識に多く担ってしまう」など、共働きにおける“見えざる格差”を認識している人が8割を超えることが明らかになった、本調査。さらに、家事育児の分担について、依然として「女性の役割」という認識が強く残っている様子もみられている。こうした中で、共働きが前提となったことによる「キャリアへの影響」を実感する人も約7割に及んでいる。「共働き=男女平等にはなっていない」と考えている人が、少なくないことが浮き彫りになった。
同社は「平等」よりも「公平」や「対等」を目指す必要性があると指摘する。そのためには形式的な「平等」にとらわれず、背景にある「意識」や「構造」の偏りに目を向けることが重要となるだろう。














