転職経験者の6割超が「転職前より今の会社が良い」 スコラ・コンサルト調査
株式会社スコラ・コンサルトは、転職や働くことに関する意識についてアンケートを実施。働く会社を選ぶ際に重視することや今の会社で満足していること、前職と今の会社との比較、リベンジ退職の経験有無などを調査した。
調査概要
調査主体:株式会社スコラ・コンサルト
調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
調査期間:2025年5月23日~2025年5月26日
有効回答数:2106人(一般社員・係長1868人/管理職(課長・部長)238人)
出典元:株式会社スコラ・コンサルト
働く会社を選ぶ際に重視すること(横軸)×今の会社で満足していること(縦軸)
本調査ではまずはじめに「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」について質問。さらに「働く会社を選ぶ際に重視すること(横軸)」と「今の会社で満足していること(縦軸)」の関係を分析した。
その結果、上位3要素はいずれも「給与・賞与・福利厚生」「残業の少なさ・休みのとりやすさ」「人間関係」であったことがわかった。また同社は「給与・賞与・福利厚生」と「人間関係」について、分布傾向を示す近似線よりも下の位置となったことから、さらに満足度を高める余地があると分析している。
続いて本調査では「今の会社で満足していること」を転職意向別に分析。「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」「上司・同僚・部下の人間関係」「自由度や裁量があり、自分らしく働ける」の3つの項目は、今の会社により長く務めたいと考える人や転職を考えていない人ほど「満足している」と回答する傾向がみられた。また「給与・賞与・福利厚生」と「仕事内容が希望や興味に合う」は「転職はまったく考えていない」人において割合が高くなっている。
転職経験者の61.8%が転職後の職場を評価
次に転職の「総合的な評価」については、満足合計(「今の方が良い」+「どちらかと言えば今の方が良い」)が61.8%となった。不満合計(「前職の方が良い」+「どちらかと言えば前職の方が良い」)は7.8%にとどまった。個別の項目で満足合計が高いのは「残業時間・休日出勤・柔軟な働き方(65.5%)」「給与や福利厚生(62.3%)」だった。
さらに「上司・同僚・部下が退職した際に困ったこと・嫌だったこと」についても質問。「退職した人が担当していた仕事を分担することになり、自分や職場のメンバーが忙しくて大変だった(29.0%)」「自分のモチベーションが下がった(22.6%)」「自分も会社を辞めたくなった(20.5%)」が上位に挙がっている。
また、会社に対する不満から会社への報復的な行動を伴って退職する「リベンジ退職」についても質問。本調査では「職場への報復的な行動を伴って退職した」「退職前に、その人が担当していた業務のデータが消されていた」「退職前に不満や悪口を職場の一斉メールやチャットで送られた」という行為を「リベンジ退職」に該当すると定義。これらの選択肢を1つでも選んだ人は、11.8%と1割を超えた。
まとめ
本調査では、半数を超える人が転職に満足しており「前の会社の方が良かった」と考えている人は1割にも満たないことがわかった。従業員の定着において「給与」「休みのとりやすさ」「人間関係」「自由度や裁量」などが重要な要素となり得ることも明らかになっている。
人材の定着のためには、満足度を高める取り組みに注力すると同時に、「会社への不満」につながることを改めていくことが欠かせない。本調査結果を参考にしながら、改めて自社で取り組める改善策がないか、制度や環境の見直していきたい。














