企業のGRC「規程の周知・理解不足」が浸透の妨げに KiteRa調査
株式会社KiteRa(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員 CEO:植松隆史)は、所属先の会社に社内規程(就業規則、賃金規程など)が「あることを知っている」と回答した全国のビジネスパーソン852名を対象に「企業のGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)に関する実態調査 vol.2」をリリースした。本調査では従業員の「規程リテラシー(従業員における規程の”検索・理解・遵守”)」と「周知の“質”」に焦点を当て、企業における社内規程の整備・運用およびGRCの運用実態を可視化している。
調査概要
調査名:企業のGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)に関する実態調査 vol.2
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年8月6日
有効回答:『あなたの会社に社内規程(就業規則、賃金規程など)が「ある」ことを知っているか』という質問に対し、「はい」と回答した18〜65歳のビジネスパーソン 852名
調査企画:株式会社KiteRa
補足:構成比は小数点第2位を四捨五入
出典元:【企業のGRC調査】「規程の周知・理解不足」が企業のGRC浸透の妨げに〜新たな社内規程ができたとき、33.5%が「規程名だけ」の周知、21.0%は「周知なし」。新規・改定規程「理解できない」約46%〜(株式会社KiteRa)
「規程管理システムやツールの利用」は小規模3.8%、大企業27.6%
本調査ではまずはじめに「あなたが社内規程の内容をご自身で確認したいとき、主にどのような方法を取りますか(複数回答)」と質問。「紙やファイル(36.6%)」「共有フォルダ内の文書(32.6%)」「社内ポータルサイト/ネットワーク(32.2%)」という結果だった。規程管理システムやツールの利用は全体では18.3%にとどまり、従業員規模別では50名以下が3.8%、1001名以上が27.6%と差が大きくなったこともわかった。
続いて「最新版の社内規程の内容を知りたいとき、どこに確認すれば良いかすぐに分かりますか(単一回答)」と質問。その結果「はい(すぐ分かる):64.0%」「いいえ(すぐ分からない):36.0%」と、約3人に1人がすぐにわからない状況にあることが明らかになった。
社内規程の文書は「分かりにくい」が4割超 現場部門と管理部門では2倍の認識差
次に本調査では「あなたの会社の社内規程は分かりやすく書かれていると感じますか(単一回答)」と質問。全体では「分かりやすい:41.1%」「分かりにくい:44.0%」「確認したことがないため分からない:14.9%」という結果だった。同社はこの回答について、部門別に集計・分析を実施。人事・総務・法務は「とても分かりやすい/分かりやすい」の合計が57.6%である一方、現場・サービスでは27.6%と、管理部門と現場部門では2倍以上の認識の差が見られた。
新しい社内規定の「周知の壁」
さらに「あなたの会社では新しい社内規程ができたときや、既にある規程が変更になったときに都度社内に周知されますか(単一回答)」と質問。「内容まで細かく周知される(29.2%)」は3割未満で「規程の名前のみ周知される(33.5%)」「周知されない(21.0%)」と、内容を知らされていない人が半数を超えた。なお、従業員規模別では「規程の名前のみ周知される」は「50名以下:21.6%」「大企業(1001名以上):37.8%」だった。
また「周知されない」については「大企業(1001名以上):13.8%」「301〜1000名:12.9%」「101〜300名:20.1%」「51〜100名:25.3%」「50名以下:36.8%」と、規模の小さい企業ほど、社内規程の周知に課題がある様子がみられている。
内容を理解する人は約半数 約2割はトラブルの経験も
本調査では続いて「あなたの会社で新しい社内規程ができたとき、あなたは内容を理解できていますか(単一回答)」と質問。その結果「はい:53.5%」「いいえ:46.5%」という結果に。「既にある社内規程が変更になったとき、あなたは変更内容を理解できていますか(単一回答)」についても「はい:53.8%」「いいえ:46.2%」という回答割合だった。。
さらに「あなたは、過去に社内規程の理解が浅いことが原因でトラブルになった、もしくはトラブルになりかけた経験はありますか(単一回答)」との質問には「はい:22.9%」と回答する人も一定数みられている。
「内部通報規程」の存在「わからない」が約3割に
次に本調査では「あなたの会社には、内部通報規程はありますか(単一回答)」と質問。その結果「わからない:28.1%」との回答が約3割に。
従業員規模別にみると、301〜1000名の企業で30.0%、1001名以上の企業でも13.8%が「わからない」と回答したという。従業員が常時300人を超える企業には、内部通報制度を整備して窓口を設ける義務が課されている。しかし、対象となる規模の企業でも、その存在を従業員に周知できていない実態があるようだ。
まとめ
社内規程について確認方法がわからない人や、内容を理解できていない人が多くいること、周知が十分にできていないことが明らかになった、本調査。こうした現状はトラブルを引き起こすリスクにもなる。事実、社内規程の理解が浅いことで約2割がトラブルを経験している。
従業員のコンプライアンス意識を高めるためにも、企業秩序を守っていくためにも、社内規程の周知や内容の定着は重要だ。部門を問わず、従業員の誰もがすぐに確認ができて、理解しやすい社内規程にしていくことが求められる。内容や運用方法について今一度、確認したい。














