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「社内承継」後継者の9割超が「責任や適性に不安」 オーナーズ調査

2025.09.11

事業承継の総合支援サービス『RISONAL(リソナル)』を運営するオーナーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:作田隆吉)は「社内承継における後継者の意識調査」を実施した。

※社内承継:親族関係のない社内の役員や幹部社員に事業承継することを指し、近年の後継者不足に対応する有力な承継手段として注目されている

調査概要

調査名称:社内承継における後継者の意識調査
調査機関:Fastask
調査対象:社内承継を経験した後継者
調査方法:Webアンケート
調査期間:2025年8月27日〜9月1日
有効回答数:106件
調査主体:オーナーズ株式会社調べ
出典元:オーナーズ株式会社
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合がある

社内承継の打診に半数以上が「責任の重さに不安」

社内承継の打診に半数以上が「責任の重さに不安」

本調査では、後継者になった人に社内承継を打診されたときの気持ちを質問。「責任の重さに不安を感じた(54.7%)」「自分に適性があるか疑問に思った(36.8%)」「現経営者や周囲からの期待やプレッシャーを感じた(30.2%)」といった回答が挙がった。一方、社内承継の経験に対する総合的な満足度については「とても満足(34.9%)」「やや満足(48.1%)」と、合わせて8割以上が高い満足度を示している。

また、社内承継の打診を受ける前に、経営を引き継ぐ可能性を考えていたか質問。その結果「経営層との面談で示唆があった(42.5%)」との回答が最多だった。一方で「まったく考えておらず、突然の打診だった(18.9%)」という回答も2割弱あった。

なお、社内承継の打診を受ける前の経営関与については「主要な経営判断に直接関与していた(34.9%)」「一部の経営判断に関与していた(41.5%)」と、合わせて約8割が何かしらの経営判断に関わっていたことが明らかになった。

準備から承継完了まで 主な準備は「会議参加」や「業務フロー理解」

準備から承継完了まで 主な準備は「会議参加」や「業務フロー理解」

続いて本調査では、社内承継完了までの期間について質問。その結果「半年以内(31.1%)」「1年以内(30.2%)」と、約6割が短期間で承継を完了、または完了を予定していることが判明した。社内承継に向けた準備内容としては「経営会議や役員会議への参加(57.5%)」「経営判断への関与(55.7%)」「社内業務フローの理解(43.4%)」などが中心となっている。

さらに本調査では、社内承継プロセスや必要なスキルに関する情報入手状況についても質問。「十分に得られていた(21.7%)」「やや得られていた(41.5%)」と、合わせて6割以上が比較的情報を得られていた。一方で約4割程度が「情報を得られていない層」となっており、情報不足が承継の不安の一因となっていることも示唆されている。

会社を継ぐことの魅力と承継への不安

会社を継ぐことの魅力と承継への不安

会社を継ぐことの魅力をたずねた項目では「自分の裁量で意思決定できる(56.6%)」「経済的リターンがある(45.3%)」「会社の成長や変革に挑戦できる(41.5%)」といった回答が上位に挙がった。

その一方で、会社を継ぐことに対して不安に感じたこととして「意思決定の責任(57.5%)」「経営者としての適性(53.8%)」「必要スキル不足(34.9%)」が上位に。「不安はない」との回答はわずか9.4%にとどまっており、9割以上が何かしらの不安を抱えていた。

承継にあたって不足しているスキルは?「経営スキル習得支援」を求める声

承継にあたって不足しているスキルは?「経営スキル習得支援」を求める声

続いて本調査では、社内承継を行ううえで自身に不足しているスキルについて質問。その結果「財務・会計知識(49.1%)」「経営戦略・計画立案力(39.6%)」「法務・契約知識(38.7%)」が上位に挙がった。経営の基礎スキルに対する課題感が多くあるようだ。

また、社内承継に向けて受けた育成支援としては「自社の後継者育成制度・カリキュラム(49.1%)」が最多に。その一方で「支援を受けていない(31.1%)」との回答も多く、企業間で育成支援や制度に大きな格差が存在することが明らかになった。

なお、社内承継に必要な支援としては「経営スキル習得支援(48.1%)」「キャリア設計支援(38.7%)」「メンター制度(34.0%)」が多く挙げられている。

まとめ

承継による満足度は高い一方で、打診を受けた段階で多くが不安やプレッシャーを感じていたこと、必要な情報を十分に得られなかった層も存在していることなどが分かった。

中小企業の多くで課題となっている後継者不足。その有力な解決策として注目される社内承継だが、育成や支援制度は十分に整っていない現状があるようだ。後継者問題に悩んでいる、悩むであろうことが予想される企業は早めの対策と準備が功を奏するといえるだろう。