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契約業務にAI導入も約半数が「AI疲れ」 ドキュサイン調査

2025.09.12

ドキュサイン・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:竹内賢佑)は、全国の契約業務に携わったことのある会社員を対象に「契約業務におけるAI活用の実態調査」を実施。効率化を目指したAI導入が、かえって現場の負担となる「契約業務の落とし穴」に陥っている現状が浮き彫りとなった。さらに、単なる作業の代替ではなく、契約プロセス全体を1つの基盤で完結できる「自立型」AIへの強いニーズが顕在化したことを報告した。

調査概要

調査方法:インターネットアンケート
調査実施機関:株式会社ネオマーケティング
調査実施期間:2025年8月8日〜11日
対象地域:全国
対象者:N=300
出典元:契約業務におけるAI活用の実態調査(ドキュサイン・ジャパン株式会社)

契約業務におけるAI活用シーン「契約書レビュー」が約6割

契約業務におけるAI活用シーン「契約書レビュー」が約6割

本調査では、契約業務においてAIを使用するシーンとして「リスクのある条項の指摘や不利な条項の特定などを含む契約書レビュー(59.5%)」「契約書のドラフト作成・たたき台の生成(52.4%)」「既存の契約書からの情報抽出・要約(51.6%)」が上位に挙げられている。

使用しているツールとしては「CLMなどの業務全体をカバーする契約管理プラットフォーム(55.6%)」「汎用的な生成AI(ChatGPTなど)(54.8%)」が多いようだ。

約5割が「契約書レビュー」の工程に課題感

約5割が「契約書レビュー」の工程に課題感

次にAIの活用有無にかかわらず、契約業務において感じている全体の課題について質問。その結果「過去の類似契約を探し出すのに時間がかかる(33.3%)」「契約更新の期限管理が属人化しており、見落としリスクがある(29.0%)」「契約情報が各所に散在し、一元的に把握・管理できていない(28.0%)」が上位に。契約管理プロセス全体においてDX化が遅れていることが原因で、一部業務が非効率的になっている様子がうかがえる。

特に課題を感じる工程としては「契約書レビュー(47.7%)」「契約書の締結業務(41.7%)」「契約書の文言作成(40.7%)」が多いという。

約5割がAIに「二度手間」を感じ「AI疲れ」の声

約5割がAIに「二度手間」を感じ「AI疲れ」の声

契約業務におけるAI活用について負担に感じていることは「AIの出力結果を人間が詳細に確認・修正する必要があり、二度手間になっている」と「AIが契約の背景や取引の特殊性を理解できず、的外れな修正や提案が多い」が同率で47.6%という結果に。このことからも、「AI疲れ」を感じている人が多いことがうかがえる。

続いて、契約業務にAIを導入または活用する上で「不可欠」と感じる機能について質問。その結果、回答の上位には「契約のプロセス全体を一つの基盤で完結できる能力(48.7%)」「企業の法務基準や過去の契約内容を学習し、自社に最適化された提案やレビューができる能力(36.7%)」「契約リスクや重要情報を指摘し、その理由や推奨される対応策まで示してくれる能力(33.3%)」が挙げられた。

まとめ

契約業務においてもAI導入が進んでいる実態が明らかになった。一方で、AI活用により「二度手間」が発生しているとの声も多数、挙がっている。そうした課題を背景に、契約業務のAI活用には「自立型のインテリジェントな基盤」が求められていることが浮き彫りになった。

AIを活用するシーンでの課題感の上位に挙がった「契約書レビュー」は、さまざまな工程があり、その煩雑さから担当者の大きな負担になっていることが推察される。「AIで効率化を図るつもりが、新しく違う負担が生まれてしまった」という実態は大きな課題だ。また、今回の調査では契約業務にも関わらず、契約に特化したツールの導入に至っていない企業も多く見られた。業務に最適なツールが導入できているかについても、改めて見直す必要がありそうだ。