「ハラスメントの境界線」管理職と非管理職の認識に差 MENTAGRAPH調査
MENTAGRAPH 株式会社(本社:東京都中央区、JT 100%連結子会社)は、22~65歳の全国のビジネスパーソン1800人(管理職900名・非管理職900名)を対象に「ハラスメントの基準」に関する調査を実施した。
調査概要
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年12月3日〜12月17日
分析期間:2025年8月15日~8月31日
調査対象者:22〜65歳のビジネスパーソン1800人(管理職900人・非管理職900人)
出典元: MENTAGRAPH株式会社
ハラスメントの職場における許容ラインを明らかに
本調査では、職場で行われるさまざまな行為について「ハラスメントの基準に関して当てはまるものを選択してください」と質問。5段階で評価を収集した結果、ハラスメントとみなす割合(当てはまる/やや当てはまると回答)が最も多かったのは「業務時間外のLINE連絡:28.6%(非管理職30.6%/管理職26.6%)」だったという。
次いで「肩を叩く:26.6%(非管理職30.2%/管理職22.9%)」が2位にランクイン。さらに「若いから体力があるという発言」と「下の名前での呼び捨て」が、同率25.4%でその後に続いたことがわかった。「業務上の指導での怒号:14.9%(非管理職16.0%/管理職13.9%)」は比較的低い割合を示しており、近年では接触や呼称が問題視されるケースが多いことがうかがえる。
管理職と非管理職で認識に違い?
同社は管理職と非管理職の「ハラスメント」に関する認識の違いも報告している。最も差が大きかったのは「肩を叩く」行為で「非管理職:30.2%」に対し「管理職:22.9%」と、7.3ptの差がみられた。次いで「若いから体力があるという発言(非管理職28.5%/管理職22.4%)」は6.0pt差「髪型・服装への指摘(非管理職25.5%/管理職21.1%)」が4.3pt差で続いた。
そのほか「業務時間外のLINE連絡(非管理職30.6%/管理職26.6%):4.0pt差」「下の名前での呼び捨て(非管理職:27.3%/管理職:23.5%):3.9pt差」なども一定の差がみられている。上位にはいずれも、身体的接触や属性・外見への言及、私的時間への侵入といった“グレーになりやすい行為”が並ぶ結果となった。
さらに、管理職に対して「自分の意図と違って捉えられた経験」を質問。「部下の興味・特徴の把握 (57.0%)」という回答が、突出して高い割合を示したことも明らかになった。
まとめ
管理職と非管理職では「ハラスメント」の“グレーになりやすい行為”の認識に差があることが浮き彫りになった本調査。上司と部下の間で許容ラインに違いがあれば、職場でのトラブルが起こる可能性はより高くなる。まずは職場において、その認識の違いを双方が理解することが必要だろう。
「ハラスメント」には明確な基準を設けることが難しい部分もある。厚生労働省は企業に向けて「職場におけるハラスメント」の対策パンフレットを公開している。本調査結果も含めて職場のルール作りや、研修の参考にしたい。
参考:職場におけるハラスメント 対策パンフレット(厚生労働省)














