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介護離職防止の「雇用環境整備」3割超が未実施 マイナビ調査

2025.09.17

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が運営するビジネスケアラーに向けた、高齢者施設検索・介護相談ポータルサイト『マイナビあなたの介護』は、民間企業の人事・労務関連業務の担当者(618名)を対象に行った「マイナビ 企業におけるビジネスケアラー支援 実態調査」の結果を発表した。

調査概要

調査期間:2025年6月27日~6月30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:民間企業で人事・労務業務に携わる20歳以上
調査委託先:マクロミル
有効回答数:618名
出典元:2025年4月の「育児・介護休業法」改正から半年、介護離職防止の雇用環境整備は36.9%の企業が未実施(株式会社マイナビ)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある

雇用環境整備状況「未実施」が36.9%

雇用環境整備状況「未実施」が36.9%

2025年4月に施行された「育児・介護休業法」の改正では、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、介護離職防止のための雇用環境整備がすべての企業に義務付けられている。

しかし、本調査によると法改正後の勤務先での対応状況について「介護離職防止のための雇用環境整備を現在実施していない(36.9%)」という回答は3割を超えた。さらに「今後も実施予定がない(56.1%)」と回答した企業が、半数以上だったことが明らかになった。

また、ビジネスケアラーへの支援制度について「既に支援制度があり内容も充分である」と答えた企業は10.0%にとどまった。「支援制度があるが見直しが必要(26.4%)」および「制度は整備されておらず、早急に対策に取り組むべきだと思う(22.7%)」の回答が約半数を占めたという。

参考:育児・介護休業法について(厚生労働省)

今後の導入・検討について

今後の導入・検討について

さらに、ビジネスケアラーへの支援や介護への理解を促進する取り組みの導入を行う場合、どのような要素があれば検討するかをたずねた項目では「介護を行う社員が増えた場合に検討したい(43.5%)」「介護離職が増えた場合に検討したい(34.3%)」が上位となった。多くの企業が、問題が顕在化してから対応する姿勢を取っていることがうかがえる。

なお、家族の介護を行う社員数をどのように把握しているかをたずねた項目では、20.2%の企業が「把握していない」と回答。また、人事部門が抱えている課題の中で優先度の高いものを5つ選択する設問で「仕事と介護の両立支援」を選択した人は14.9%だったという。人事戦略の課題の中で重要課題として位置づけられていない実態が浮き彫りになった。

まとめ

法的義務となったものの企業の支援制度の整備が進んでいないことが明白となった、本調査。介護は「いつ始まるか」「今後どうなっていくのか」の予測が難しい上に、誰もが突然当事者になる可能性がある。いざというときに職場の支援体制が整っていなければ、介護離職に至るケースも少なくないだろう。支援制度が充実していないことは、今後の採用面でのマイナス要素になる可能性も考えられる。

介護支援制度の充実による「安心して働き続けられると感じられる職場づくり」は、定着促進や採用力強化においても有効な取り組みとなるだろう。本調査結果を参考に、社内での体制を整えたい。