派遣社員の約7割が「満足」も「AIの進化」に約3割が不安 マイナビ調査
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、派遣社員として勤務する20〜59 歳の男女を対象に実施した、「派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版)」の結果を発表しました。なお、本調査は2019年から実施し、今回で7回目となります。調査結果の概要(一部抜粋)は以下の通りです。(有効回答数:1,400名)
調査概要
「派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版)」
調査期間:2025年7月8日~2025年7月16日
調査方法:インターネット調査
調査対象:派遣社員として勤務する20〜59 歳の男女
調査主体:株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会社)
回答数:1400サンプル
出典元:派遣社員の意識・就労実態調査(2025年版)(株式会社マイナビ)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある
派遣社員として働くことへの満足度
本調査によると「現在、派遣社員として働いている」ことに、「満足(24.4%)とやや満足(44.9%)を合わせた、69.3%の人が満足感を持っていた。「満足」している理由は「有給休暇や休日を取得しやすい(33.0%)」「業務の責任が重くないから(24.5%)」などが多く挙がった。一方、「不満」の理由には「賞与がない・少ない(54.9%)」「給与が低い(48.1%)」が挙げられている。
今後も「派遣社員」として働くことを希望する割合は42.9%で、前年(48.2%)から5.3pt減少。「正社員」を希望する「派遣社員」の割合は29.9%で、前年(26.6%)から3.3pt増加している。今後「正社員」を希望する理由としては「賞与(ボーナス)が欲しいから(69.9%)」「雇用が安定しているから(57.7%)」「賃金が高いから(48.3%)」という声が並んだ。
AIの進化による不安感とリスキリングの実態
「AIの進化により、仕事が減少することに不安を感じている」人は、「不安がある(11.8%)」と「どちらかといえば不安がある(23.5%)」を合わると、35.3%に上った。職種別では、「テレオペ・テレマーケティング(42.6%)」や「オフィスワーク・事務(42.0%)」など、定型業務が中心となる職種で不安感が高かった。一方で、人間的な判断やケアが求められ、定型業務となりづらい「医療・介護・福祉・教育(26.5%)」では、相対的に低く、職種によって不安の程度に差がみらている。
仕事の減少に不安を感じている「派遣社員」のうち、将来に向けてリスキリングを行っている割合は19.8%。不安を感じながらも、具体的な行動をしている人は2割弱という結果となった。
まとめ
派遣社員という働き方に多くの人が満足している一方で、今後も派遣社員として働くことを希望する人は減少傾向にあることが明らかになった、本調査。現時点での満足度は高くても、収入や将来的な不安により、正社員を希望する人が増えていることがうかがえる。
AIの進化が目覚ましい今、AIによる代替の可能性が高い職種では仕事の減少への不安感も強くなってきている。
その一方で、こうした不安の解消のための、リスキリングなどの行動に移している人はあまり多くない。同社はその背景に、「支援体制や環境整備といった行動につながる仕組みの不足」を指摘しながら「リスキリング支援の強化や待遇改善が必要だ」と提言している。
人手不足が深刻さを増す一方で、こうした不安感を派遣社員の3割が持っている。両者にとっての最適解を見出すための施策や制度づくりに本調査結果を参考にしたい。














