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「周囲の見え方」を重視した就職は早期退職率が高い? カールツァイス調査

2025.09.22

カールツァイス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:ヴィンセント・マチュー)は、全国のビジネスパーソン1000名を対象に「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」を実施した。転職活動をはじめ、キャリア見直しが活発になるこの時期に実施された今回の調査では、ビジネスパーソンがこれまでのキャリア選択を振り返り、長期的なキャリアの幸福度や仕事のやりがいを高めるために必要な「キャリア視力」について考察することを目的にしているという。

調査概要

調査期間:2025年8月22日~8月25日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20歳~59歳/ビジネスパーソン男女1000名
出典元:カールツァイス株式会社

「将来のキャリアプラン重視」派は入社後の満足度も高い

「将来のキャリアプラン重視」派は入社後の満足度も高い

本調査では、新卒時の就職活動において「企業選びの際に重視した点」について質問。その結果「家族・親からの評価・期待(48.0%)」「友人や周囲からの評価・印象(45.4%)」「異性から見られた時の企業イメージ(44.4%)」が上位に挙がる結果となった。いずれか1つでも重視した人は、65.0%にのぼった。

さらに、20代会社員のうち新卒の企業選びを「家族」「友人」「異性」からの見え方で決めた人のうち、39.7%が入社3年未満で退職していることも明らかになった。これは、全体(31.8%)と比較して、早期退職する割合が約10%も高い。

一方で、新卒の企業選びで「見え方」ではなく「将来のキャリアプランに合っている業務内容」を重視した人(55.0%)のうち、76.7%が当時の選択に「満足」と回答。全体の満足度(59.6%)と比べると約17%高く、明確なキャリア観を持って自身に適した仕事を選んだ人ほど、入社後の満足度も高い傾向にあるようだ。

「働きやすさ」は志望時も勤続中、ともに重視される

「働きやすさ」は志望時も勤続中、ともに重視される

続いて、勤めている企業に就職(転職)したときの志望動機について質問。回答の上位には「働きやすさ(37.9%)」「待遇・報酬(37.6%)」「企業知名度・安定性・将来性(25.4%)」と、肩書や外的評価に関わる要素が並んだという。

一方で、現職で働く動機としては「働きやすさ(32.1%)」「待遇・報酬(32.1%)」に続き「達成感のある業務(18.6%)」「成長・キャリアアップ(17.1%)」が上位を占めた。入社時に上位だった「企業知名度・安定性・将来性(16.9%)」は5位に下落し、肩書やブランド性は必ずしも仕事のモチベーションに直結していないことが浮き彫りになった。

まとめ

本調査結果をみると、入社前のキャリア選択では自身の「どう働きたいか」よりも、他者からの「どう見えるか」という点が影響しやすいことがわかる。しかし、そうした外的価値観を重視して入社した結果、早期に退職する割合が高まることも明らかに。明確なキャリア観を持って就職先を選択することの重要性が、改めて示唆されたといえるだろう。

企業側としては、採用活動の過程において学生らがどの程度のキャリアビジョンを描けているかを把握することで、早期離職を防ぐひとつの有効策となりそうだ。また、学生らが入社前にキャリアビジョンを描きやすくするために、インターンシップ等の機会を積極的に提供していくことも重要となるだろう。