管理職の「部下への評価に感じる課題」 ALL DIFFERENT調査
ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)およびラーニングイノベーション総合研究所®︎は、2025年5月20日~7月17日の期間で、管理職531名を対象に「管理職意識調査」を実施。回答者のうち課長クラス以上の管理職の「部下育成」に焦点を当てた結果を公表した。
調査概要
調査対象者:同社が提供する管理職向け研修の受講者
調査時期:2025年5月20日~7月17日
調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
サンプル数:531名
出典元:管理職が“部下への評価”で感じる課題の傾向、新任管理職「嫌われたくない」 幹部候補「極端な評価に躊躇(ちゅうちょ)」| ニュースリリース |組織開発・人材育成(ALL DIFFERENT株式会社)
評価者としての最大の課題 ステージ別の違いは?
本調査ではまずはじめに、「課長クラス以上の管理職(以下:管理職)は、部下を評価する際、評価者としてどのような課題を抱えているか」を質問。その結果「チーム内で極端な評価をつけることをためらってしまう(27.9%)」「評価時、一人ひとり十分に時間をとることができていない(27.0%)」「評価の期間全体で評価せず、直近の部下の状況に引きずられてしまう(25.2%)」という回答が上位を占めた。
次に「評価者としての課題」について、1~3年目の課長クラスを「新任管理職」、4年目以上の課長クラスを「ベテラン管理職」、部長クラスを「幹部候補」と3つのステージに分類。ステージごとの回答の違いを分析した。
その結果、新任管理職では「部下に嫌われたくないために、厳しい評価から逃げている(23.5%)」が他のステージよりも10ポイント以上、「会社の評価基準を十分に理解せず、評価している(12.1%)」が他のステージより2倍以上高い回答割合になった。また、幹部候補では「チーム内で極端な評価をつけることをためらってしまう(35.7%)」の割合が他ステージと比べて突出した。
評価に欠かせない「部下についての理解」
続いて、適切な評価を行うために不可欠とされる「部下についての理解」を質問。新任管理職では「部下の現状の業務領域(59.8%)」「部下の成果およびその変化(51.5%)」「改善すべき課題や短所(50.0%)」が上位に挙がった。
ベテラン管理職も「部下の現状の業務領域(58.6%)」「部下の成果およびその変化(55.0%)」「改善すべき課題や短所(55.0%)」と、同様の上位回答となっている。
一方、幹部候補では「改善すべき課題や短所(56.1%)」「部下の言葉・行動における特徴および変化(56.1%)」「部下の現状の業務領域(52.0%)」「部下の成果およびその変化(51.0%)」が上位に並び、他ステージとの違いがみられた。
半数超が「フィードバックにためらい」
さらに、「部下がいる管理職に、フィードバックすることを躊躇(ちゅうちょ)したことがあるか」を質問。その結果「はい」が55.7%と、過半数を超えた。
その理由としては「部下の反応に対して不安があるから(54.2%)」「適切な伝え方がわからなかったから(34.7%)」「自分が本当に正しいか自信がなかったから(28.9%)」が上位を占めた。
部下へのフィードバックを躊躇した理由については、ステージに関係なく「部下の反応が不安」が挙がった。特に新人管理職ではベテラン管理職よりも14.5ポイント高く、6割を超えている。また、2位に挙がった「適切な伝え方がわからなかったから」は幹部候補が39.2%と、他のステージよりも多い割合となった。
まとめ
部下を評価する上で、管理職がどのような課題感を抱いているかが明らかになった、本調査。評価やフィードバックに対して、部下の反応を不安視する管理職が多いようだ。
同社はこの結果を受けて「評価のゴールの捉え方に誤解がある可能性」を指摘。「本来、適切な評価・フィードバックによって部下の行動が変化し、本人や組織全体の成長につながることが、評価のゴールになるべきだ」と解説している。
厳しい評価内容であったとしても、部下がポジティブに受け取れるように伝え方はもちろん、日々の関係性の構築も重要であることがうかがえる。管理職を対象にした研修などの施策の参考にしたい。











