約7割が「評価が不満で転職を検討」、評価のための「アピールする派」は約6割 Job総研調査
パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関、 Job総研 は 391人の社会人男女を対象に「2025年 人事評価の実態調査」を実施。人事評価を意識したアピールの有無やその影響、人事評価への不満や転職との関係、そしてAIによる人事評価への印象などを調査した。
調査概要
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国/男⼥/20~50代
調査期間:2025年9⽉10⽇〜9⽉16⽇
有効回答数:391⼈
調査⽅法:インターネット調査
出典元:Job総研『2025年 人事評価の実態調査』を実施しました(パーソルキャリア株式会社)
人事評価のための「アピール」がもたらす影響は?
本調査ではまずはじめに、回答者全体の391人に人事評価のために普段行っていることを質問。その結果「上司の意向に積極的に従う(29.9%)」「上司へのアピールを増やす(27.6%)」「資料などを丁寧に作成する(23.0%)」が上位を占めた。また、評価のためのアピールについて「する派」が58.6%と過半数を超えた。
続いて、人事評価のためのアピールをすると回答した229人に「アピールをすることでの影響」について質問。「アピール疲れを感じる(32.3%)」「精神的に消耗する(28.4%)」「無駄な仕事が増える(27.1%)」といった回答が上位に挙がった。
また、アピールは評価に活きていると思うかをたずねた項目では「活きていると思う派」が82.1%となった。
人事評価への不満と転職意向
次に、回答者全体の391人に「人事評価に不満を感じた経験」について質問。その結果「ある派」が69.6%と過半数を占めた。さらに「人事評価での昇格・昇給を待つ」または「転職」のどちらを選ぶかをたずねた項目では「転職派」が69.0%となっている。
続いて回答者全体の391人に「人事評価で転職を考えた経験」の有無を質問。「ある派」が65.5%と過半数を占めた。さらに、転職を考えた経験があると回答した256人に「実際に転職をしたか」をたずねた結果「転職した派」が51.6%で、過半数を超えた。
AIによる評価への期待は?
さらに、回答者全体の391人に「AIによる評価で期待する点」について質問。その結果「公平で客観的な判断(48.3%)」「上司の主観を減らす(45.8%)」「評価基準の透明性(35.5%)」との回答が多く挙がった。また、AIによる評価で不安な点としては「AIに誤った解釈をされる(38.1%)」「努力や工夫が評価されない(37.1%)」「偏ったデータに左右される(36.3%)」を挙げた人が多かった。
AIによる人事評価についての印象としては「不安がある派」が51.2%と過半数を超えた。また、「上司とAIのどちらに人事評価をしてもらいたいか」をたずねた項目では「上司派」が68.7%だった。
まとめ
人事評価に向けて多くの人が「アピール」を意識しており、その結果「アピール疲れ」や「本来不要な業務の増加」など、モチベーションや実務面に負の影響が及んでいる実態が明らかになった。また、人事評価に不満を抱いた人の多くは転職を検討する傾向が高いこともわかっており、公平かつ透明性の高い評価制度の重要性が改めて示唆された。
AIの進化や普及に伴い、注目されているAIによる人事評価については期待と不安が交錯する様子がみられた。結果としては、上司に評価されることを望む回答が多数となっている。同社は「人事評価において評価する側とされる側の双方が納得感を得られることが大切だ」として、AIの客観的な評価と上司の人間的な判断を適切に組み合わせたバランス設計こそ、今後の人事評価制度に求められる視点だと解説している。
従業員のモチベーション向上はもちろん、人材流出防止の観点からも重要となる人事評価制度。自社の課題の洗い出しや、改善の参考にしたい。














