正社員の理想の「キャリア自律」と現実に大きなギャップ テックビズ調査
株式会社テックビズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:中島一樹)は、全国の正社員900名を対象に「キャリアの自律性に関する実態調査」を実施。人的資本経営やリスキリング推進が注目される中、各年代のキャリア自律度や学習意識の実態を明らかにした。企業の人的資本経営に資する人事戦略や、個人のキャリア支援策検討に活用することを目的としている。
調査概要
調査期間:2025年9月12日〜9月16日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の正社員/男女/900人(20代-60代各180人)
調査実施:株式会社テックビズ
出典元:株式会社テックビズ
半数超が正社員以外の働き方に関心
本調査ではまずはじめに「正社員としての働き方以外で、してみたいと思ったことがある働き方をお選びください。(いくつでも)」と質問。半数を超える55.4%が、本業の正社員以外の働き方に関心を持っていることが判明した。上位の回答には「副業・兼業(38.3%)」「フリーランス(14.8%)」が挙がっている。
また、52.6%の人がフリーランスになることを「キャリアアップ」と認識していることも明らかになった。同社は本結果について、「従来の『安定志向』から『成長・自己実現志向』『自由な働き方』への価値観の転換を示唆している」と分析している。
「自分でキャリアを構築したい」ものの、具体的な取り組みはまだ
続いて「あなた自身のキャリアに対する考え方について最も近いものをお聞かせください」と質問。その結果64.4%が「自分で積極的に構築していきたい」「どちらかといえば自分で構築していきたい」と回答した。
一方で「キャリアアップのために、過去1年間で行った取り組みはありますか。(いくつでも)」に対して、64.7%が「特に何もしていない」と回答。意識と行動にギャップがある実態が明らかになった。
これに対して同社は「単なる個人の意欲不足ではなく、複層的な構造問題を抱えている」と分析。そこで「キャリアアップのための取り組みをすることに対して障壁と感じることは何ですか」と質問。上位に挙がったのは「時間がない(25.2%)」「何から始めればいいかわからない(22.1%)」という時間や情報・指針不足が挙がった。しかし同社は、日本の雇用文化や成功モデルの可視化不足など、問題はより深層に根ざしているとみている。
まとめ
同社は「日本において個人が自らキャリアを開拓するというケースに対して、社会的な後押しや成功モデルの可視化が不足している」と指摘。挑戦することへの心理的ハードルが高く、意識と行動のギャップ解消には社会的風土の情勢が不可欠だと解説している。
多くの人が「自身でキャリアを構築したい」と考えながらも行動に移せずにいる。この実態に対して、企業として個々のキャリア構築をいかに支援していくかの検討が必要な時代になっている、といえるだろう。人手不足の抜本的な解決が難しい中、自由な働き方を希望する人が増えていることも無視できない。制度改革や環境整備の参考にしたい。














