約6割が「ハラスメント被害経験あり」、対策未実施の企業は約3割 エン調査
エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝)は、運営する総合転職サイト『エン転職』上でユーザーを対象に「ハラスメント」についてアンケート調査を実施した。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン転職』を利用するユーザー
調査期間:2025年8月4日~8月31日
有効回答数:1955名
出典元:「ハラスメント」に関する実態調査ハラスメントを受けた経験がある方の3割が「誰にも相談しなかった」。職場のハラスメント対策、進展の一方で31%が未実施。(エン株式会社)
63%が職場でハラスメントを経験 受けたことがあるのは「パワハラ」が最多
本調査では「これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?」との質問に、63%が「ある」と回答。年代別でみると、40代以上が68%と、20代の44%より24ポイント高く年代が高い方ほどハラスメントを受けた経験があることが明らかになった。男女での差は、男性のほうが6ポイント高かった。
続いて、職場でハラスメントを受けたことがある人を対象に「職場でどんなハラスメントを受けましたか?」と質問。「パワハラ(90%)」が最多となった。年代別では「セクハラ」と回答した20代が36%であったのに対し、40代以上は17%と19ポイントの乖離がみられている。男女別では、男性は「パワハラ」が女性と比較して12ポイント高く(男性:96%、女性:84%)、女性は「セクハラ」が男性と比較して36ポイント高い(男性:5%、女性:41%)結果となった。
また、「職場でハラスメントを受けたことがない」と回答した人を対象に「職場でハラスメントを受けない理由は何だと思いますか」と質問。「職場の人間関係が良好だから(53%)」が最多となった。
ハラスメントを受けた人の3割が「誰にも相談しなかった」と回答
さらに、職場でハラスメントを受けたことがある人を対象に「誰かに相談しましたか?」と質問。その結果「上司(32%)」「誰にも相談していない(31%)」「同僚(25%)」との回答が上位に並んだ。「誰にも相談していない」と回答した理由としては「相談しても解決にならないと思ったから(68%)」との声が多かった。
職場のハラスメント対策については45%が「実施している」と回答。同社の昨年(2024年)の同調査と比較すると、8ポイント上昇した。一方で、約3社に1社は「実施していない(31%)」という実態も明らかになった。
※参考500人に聞いた「ハラスメント」意識調査(2024)『エン転職』ユーザーアンケートー(エン株式会社)
まとめ
約6割の人がハラスメントを受けた経験があると回答した本調査。職場でのハラスメント対策が進んでいる様子もみられているが、一方で未実施の企業も少なくないことも明らかになった。
2022年4月「パワハラ防止法」により、パワハラ防止措置が全企業に義務付けられた。カスハラやセクハラについても、2025年6月11日に交付された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)」により、防止措置が義務付けられている。
従業員が安心して働き続けられる職場とするためにも、対策の整備や改善をさらに進めていく必要があるだろう。企業が十分な対策を講じていたとしても、従業員が効果を実感できていないことも少なくない。厚生労働省が作成しているパンフレット等も参考に、現状の把握や見直しを進めていきたい。
参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)(厚生労働省)














