「育休のキャリア不安が子を持つ意欲に影響する」6割超 ジェイック調査
株式会社ジェイックは、同社の就職支援サービスを利用して正社員就職した、育児休業取得経験のない20歳~39歳を対象に実施した「育児休業とキャリア形成」に関するアンケート調査の結果を発表した。
調査概要
調査名称:「育児休業とキャリア形成」に関するアンケート調査
調査対象:株式会社ジェイックの就職支援サービスを利用して正社員就職した、育児休業取得経験のない20~39歳
調査機関:株式会社ジェイック調査
調査方法:Webアンケート
調査期間:2025年5月13日~9月9日
回答者数:193名(性別:男性118名、女性73名、回答なし2名)
出典元:【調査】20代・30代正社員に「育児休業とキャリア形成」について調査(株式会社ジェイック)
育休取得でキャリア形成に生じる不安、男女で温度差
本調査ではまずはじめに「育休を取得した場合、キャリア形成に対してどのような不安が生じると思いますか?あてはまるものをすべて選択してください」と質問。「復帰後、職場の変化についていけるか(53.4%)」と「復帰後、家庭と両立して成果を出せるか(53.4%)」が、同ポイントで回答最多に。続いて「キャリアが中断するかもしれないという不安(35.8%)」「復帰後、新たに就いた仕事についていけるか(34.2%)」という結果となった。
最多の回答数となった「復帰後、家庭と両立して成果を出せるか」においては、40.0ポイント差で女性が男性を大きく上回った。そのほか「復帰後、新たに就いた仕事についていけるか(29.2ポイント差)」「復帰後、職場の変化についていけるか(20.0ポイント差)」などでも女性の回答が上回り、女性がより強く不安を抱いていることが明らかになった。
一方、男性が女性の回答を上回ったのは「不安を感じない(16.5ポイント差)」「仕事でスキルを向上させる機会の減少(8.6ポイント差)」だった。
不安の経験のカギは「育休復帰後の働き方の情報提供」
続いて「育休の取得で想定されるキャリアに対する不安は『子どもを持ちたい』という気持ちに影響すると思いますか?」と質問。その結果「大きく影響すると思う(23.3%)」「やや影響すると思う(40.4%)」と、回答者の6割以上が影響を感じると回答した。
また「育休を取得する場合、育休中に会社からのどのようなサポートがあると、キャリア形成に対する不安は減ると思いますか?あてはまるものをすべて選択してください」と質問。「復帰後の働き方に関する情報提供(時短勤務など)(67.4%)」「復帰後の業務やキャリアに関する情報提供(先輩社員の事例紹介など)(51.8%)」「会社の方針や最新の動きに関する情報提供(50.3%)」「上司・同僚向けの、育児休業への理解促進研修(44.0%)」が回答の上位を占めた。
まとめ
本調査によって、育休取得によって生じるキャリア形成への不安が、子どもを持つ意欲に大きく影響していることが明らかになった。特に女性は、復帰後の働き方に対する不安が強く、勤務先でのサポート体制が「安心できる状態ではない」ことがうかがえる。
同社は企業に対して「育休をキャリアの『中断』ではなく『一部』と捉え、継続的なキャリア形成を支える視点」が求められていると解説。制度周知の徹底や情報提供、研修や面談の実施などで、従業員の不安を解消していくことが採用力や定着率の向上にもつながると提言。制度や環境の整備の参考にしたい。














