「管理職の中途採用」4年で10ポイント以上増加 マイナビ調査
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2025年1~6月に中途採用を行った人事担当者と、直近1年以内に転職した20~50代の正社員男女を対象に実施した「マイナビ 管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年」の結果を発表した。なお本調査では「管理職」を課長クラス以上の役職と定義している。
調査概要
調査期間:
<企業>2025年7月9日~7月14日
<個人>2025年7月2日~7月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象:
<企業>2025年1~6月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者
<個人>正社員として働いている20代~50代の男女のうち、直近1年間に転職活動を行い、直近1年以内に転職した人
有効回答数:<企業>1600件/<個人>500件
出典元:管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年(株式会社マイナビ)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
※中途採用実態調査 2025年版、転職活動実態調査(2025年)と同時実施
2025年に中途採用で管理職を採用した割合は49.6% その理由は?
同社の調査よると、2025年1~6月に中途採用を行った人事担当者のうち、管理職を採用した割合は49.6%。2021年から管理職の中途採用は増加傾向にあり、2021年(38.9%)比では10.7pt増加した。採用した管理職の役職別で見ると、部長クラスが29.9%(2021年比10.1pt増)で、課長クラスでは38.9%(2021年比9.5pt増)だった。
また、管理職の採用理由(複数回答)については「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため(33.0%)」「管理職層の多様性を高めるため(性別・年齢・バックグラウンドなど)(32.0%)」といった回答が多かった。最もあてはまるもの(単一回答)としては「採用市場が活況で、好条件で採用できるタイミングだったため(11.6%)」という回答が最多となった。
人事担当者の約7割「管理職の中途採用に満足」
続いて、管理職を採用した満足度について質問。「満足している(満足+どちらかといえば満足)」と回答した割合は69.9%。「不満(不満+どちらかといえば不満)」の7.4%を大きく上回った。
役職別では、部長クラスの採用満足度が全体より5pt以上高い結果に。企業がより経営層に近く高いマネジメントスキルを持つ人材の獲得に満足感を覚えていることがうかがえる。
満足している理由としては「スキルが高く即戦力となった」「求める以上の人材が入社した」といった意見が多くみられた。一方、不満とした理由としては「求めていたスキルに達していない」「前職のやり方に固執し柔軟性に欠ける」といった声が挙がった。
管理職だった人の転職理由「会社の将来性に不安があった」がトップ
直近1年間で転職した人のうち「管理職としての転職」を望んだ割合は29.8%だった。転職活動時に管理職だった人では72.8%と、転職活動時に非管理職だった人よりも高い傾向がみられている。
転職後の役職変化については「変わらない(79.2%)」が最多で「役職が上がった」割合は6.8%にとどまった。一方で、転職時に管理職だった人では、10.4%が転職後に役職が上がっており、50.6%が転職後も役職は「変わらない」と回答。転職時に管理職だった人の半数以上が、管理職として転職できていることが明らかになった。
また本調査では、転職理由についても質問。転職活動時に「管理職だった人」では「会社の将来性に不安があった(33.8%)」が最も多く「非管理職だった人」では「給与が低かった(26.5%)」が最多となった。なお、転職した人に今後のキャリアプランについてたずねた項目では、全体の47.2%が「他に良い会社があれば転職したい」と回答。管理職は特に「他に良い会社があれば転職したい(54.1%)」という回答割合が高かった。
まとめ
管理職を中途採用する割合が高まっており、人事担当者の多くが、管理職の中途採用に満足していることが明らかになった、本調査。同社はその背景に40~50代の転職率の上昇や、採用市場の活況が影響していると分析している。
また同社は「管理職は転職理由に「会社の将来性への不安」を挙げている割合が高かったが、転職先でも同様に「会社の将来性」や「経営方針」について冷静に判断をする姿勢を持っているのではないだろうか」とコメント。今後も中途採用市場に管理職が現れる可能性は高いと推察している。
管理職の中途採用は今後さらに一般的になっていくと考えられる。採用のチャンスが拡大すると同時に、既存の管理職が離職するリスクが高まることも意味する。管理職はもちろん、非管理職も含めた全従業員のエンゲージメントがますます重要になっているといえるだろう。














