休職申出・復職時の会社側のフォローに「不満」「不安」の声多く KiteRa調査
株式会社KiteRa(代表取締役 執行役員 CEO:植松隆史)は、全国のビジネスパーソンを対象とした「メンタルヘルスに関する実態調査」を実施。当事者(休職経験者)と職場(休職者がいた職場の正社員)の二軸で構成し、休職の申し出・引き継ぎ・復職といった各局面を横断して実態を明らかにした。
調査概要
調査名:メンタルヘルスに関する実態調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年9月16日〜19日
調査企画:株式会社KiteRa
有効回答:
①当事者(休職経験者):過去5年以内に、業務に起因するメンタル不調で休職したことがある18〜65歳のビジネスパーソン579名
②職場側(求職者がいた部署の正社員):過去2年以内に、業務に起因するメンタル不調により休職した人が所属部署にいた18〜65歳のビジネスパーソン365名
出典元:【メンタルヘルス実態調査】休職発生時の会社側のフォロー不足、未復職3割強〜休職者:申出時「不満」64.9%・復職時「不安」90.9%、職場:業務量増62.5%・会社対応を見て転職・退職意向37.8%〜(株式会社KiteRa)
補足:構成比は小数点第2位を四捨五入
6割超が「休職申出時の会社対応」に不満
本調査では当事者(休職経験者)に対して「休職を申し出た際、会社の対応に不満はありましたか(単一回答)」と質問。その結果「はい(64.9%)」が「いいえ(35.1%)」を大きく上回ったという。
また「はい」と回答した人を対象に具体的な不満について尋ねており「配置換え(説明不足・不一致)(44.1%)」「休職制度・手続き案内の不足(39.6%)」「退職勧奨(36.7%)」などの声が多く寄せられたことがわかった。
続いて「休職前の業務引き継ぎは、円滑に行われましたか(単一回答)」との質問には「はい(60.3%)」「いいえ(39.7%)」との回答割合が示されている。
さらに「休職に入る際、不安はありましたか(単一回答)」との質問に対しては「はい(83.8%)」が大多数を占める結果だったという。
休職者発生後の業務量「増えた」が6割超
次に本調査では、職場側(休職者がいた部署の正社員)に「休職した人が抜けた後、あなたの担当業務量はどう変化しましたか(単一回答)」と質問。その結果「業務量が増えた(大幅に増えた/やや増えた)」と回答する人が62.5%にも及んだという。
また、休職者に関連する会社側の取り組み(業務割り振り・会社フォロー姿勢・規程順守・情報共有の配慮)に対し、休職者が所属していた部署の正社員の中で肯定的に評価したのはどの項目においても約4割にとどまったことが判明した。
約7割が復職も、復職時に不安を抱いた人は9割超
続いて本調査では、当事者(休職経験者)に「休職に入った時点で、復職したいと考えていましたか(単一回答)」と質問。65.1%が「はい」と回答したことが明らかになった。さらに「結果として、休職後に復職しましたか(単一回答)」の質問に対しては68.0%が「はい」と回答している。
また、復職した人に対する「復職する際、不安はありましたか(単一回答)」との質問には、90.9%が「はい」と回答したこともわかった。なお「復職時、会社からのケアやサポートは手厚いと感じましたか(単一回答)」との質問に「はい」と回答した人は54.3%と半数程度であった。
十分なサポートを受けたと感じる人には「試し出社(リハビリ出社)(40.2%)」「短時間勤務・段階的時間延長(37.4%)」「リワーク(37.4%)」「復職支援プログラム(社内・外部)(37.4%)」といった支援が多くあったようだ。
復職後の定着率は約6割 対応次第で転職・退職も
さらに本調査では、当事者(休職経験者)に「復職後も同じ職場で働き続けていますか(単一回答)(過去5年以内の休職経験者・正社員)」と質問。62.0%が「はい」と回答したという。
復職後に退職した人は「体調の再悪化・再休職(29.9%)」「配慮不足(業務量・残業・通勤等)(24.8%)」「人間関係の悪化(理解不足・不信感)(22.6%)」「ハラスメントの継続・再発(18.2%)」などを理由に挙げている。
また、職場側(休職者がいた部署の正社員)に「休職者が出た際の会社の対応を踏まえて、今後の転職・退職をどれくらい考えていますか(単一回答)」と質問した結果、37.8%が「転職・退職を考えている(やや考えている/強く考えている)」と回答。「既に転職・退職した」との回答も4.1%寄せられたことが判明した。
まとめ
本調査結果からは、休職者発生時の会社側のフォローに不満を抱く人が多く、結果として休職・復職後の定着率や、周囲の社員の転職意向にも影響が及んでいることがうかがえる。休職者への支援制度の整備の重要性が、改めて示唆されたと言えるだろう。
安心して休める・復帰できる環境は、安心して働ける環境につながる。休職・復職に関する規定や支援制度、休職者発生時の業務体制へのフォロー内容など、今一度見直す機会としていただきたい。














