倒産件数が8半期連続増加、上半期として12年ぶり5000件超に TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2025年度上半期(4-9月)の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計・分析を実施した。概要について紹介する。
調査概要
集計期間:2025年4月1日~2025年9月30日
発表日: 2025年10月8日
集計対象:負債1000万円以上、法的整理による倒産
出典元:倒産集計 2025年上半期報(4月~9月)(株式会社帝国データバンク)
前年同期3.1%増の5146件 2000年度以降最長の8半期連続増加
TDBの報告によると、2025年度上半期の倒産件数は5146件(前年同期4990件、3.1%増)となっている。上半期としては2013年度(5320件)以来12年ぶりの5000件超えとなり、半期ベースでみると、2021年度下半期(2978件)以降、8半期連続の増加だという。なお、8半期連続の増加は2000年度以降最長となっている。
負債総額は6705億800万円(前年同期1兆3294億9200万円、49.6%減)と、2半期連続で減少。上半期としては4年ぶりに1兆円を下回ったことが報告された。
業種別の分析では、7業種中4業種で前年を上回ったことが判明。特に目立ったのは『サービス業』で、前年同期1312件から1348件と2.7%の増加。8半期連続での増加となっており、2000年度以降で最多であった。また『小売業(同1048件→1120件、6.9%増)』は過去3番目に多い件数となっている。
また、主因別にみると「販売不振(4215件/前年同期4100件、2.8%増)」が最も多く、上半期としては2年連続での4000件超えだという。なお「売掛金回収難(前年同期32件→30件、6.3%減)」や「不良債権の累積(同10件→5件、50.0%減)」などを含む『不況型倒産』の合計は4276件(同4171件、2.5%増)で、8半期連続での増加となったことがわかった。さらに「経営者の病気、死亡(前年同期159件→175件、10.1%増)」は2000年度以降で最多となり「放漫経営(同64件→97件、51.6%増)」は上半期として過去10年で最多となったことも報告されている。
まとめ
TDBの報告によれば「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」は上半期として初の減少をみせている。一方で「人手不足倒産」は過去最多となり「後継者難倒産」は上半期としては過去2番目の多さだったという。また「物価高倒産」も過去最多を更新し、2025年度上半期の全国企業倒産は5146件と、年度上半期として12年ぶりに5000件を超えた。
今後の動向としてTDBは、物価高や賃上げ、人手不足への対応に限界を感じた中小企業の「あきらめ型倒産」を中心に、下半期も5000件を超えると予測している。引き続き動向に注目したい。














