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「CEO制度」導入企業5年で1.7倍、約4割が40歳代以下 TDB調査

2025.10.15

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、信用調査報告書ファイル「CCR」(200万社収録)など、自社データベースから分析可能な各年約25~27万社を基に、企業の代表者の「肩書」に「CEO」を採用している企業について分析した。CEOとは「最高経営責任者(Chief Executive Officer)」の略称。経営方針や事業計画を策定し、最終的な責任者として会社の業務執行を統括する役割を担う。日本の会社法では、CEOに関する職責や権限に明確な規定がないため、「代表取締役社長(会長)兼CEO」という肩書で使用することが多い。

調査概要

対象:「株式会社」「有限会社」「合名会社」「合資会社」「合同会社」の5法人格(いわゆる「会社」に相当)
出典元:社長の肩書「CEO」5年で1.7倍に増加 若い経営者で導入目立つ CEOの約4割が「40歳代」以下、平均54歳 「取締役社長」より6歳若い(株式会社帝国データバンク)
※「CEO」対象企業は、類似する「COO」「CFO」も僅少ながら含む

1536社が「CEO」導入 2019年から1.7倍

1536社が「CEO」導入 2019年から1.7倍

TDBによると、経営トップの肩書に「CEO」を導入する企業は2024年末時点で1536社。調査対象となった約27万社のうち、割合は1%に満たないものの、前年から13.9%増。コロナ禍前の2019年と比較すると、1.7倍に増加している。業種としてはサービス業がもっとも多く、代表者の肩書を「CEO」としている企業1536社のうち、4割を超える690社だった。特に、IT産業などのスタートアップ企業での使用が際立っている。

CEOの平均年齢は、全国の代表取締役(社長・会長)より約6歳若い54歳前後。CEOの年代でみても「30歳代以下」が全体の約1割を占め、約4割は「40歳代以下」となっている。「取締役社長・会長(40歳代以下:18.8%)」に比べると2倍となり、若い経営者が「CEO」を肩書として採用するケースが多いことが明らかになった。

CEO制度の導入が進んでいる背景についてTDBは「企業のグローバル化が進展し、国内外の投資家がコーポレートガバナンス(企業統治)を重視するなか、高い透明性の確保や、迅速な意思決定による企業運営を実現するためにCEO制度・肩書を取り入れる動きが拡大している」と解説している。

まとめ

CEO制度の導入は、経営責任の所在を明確にし、企業統治の透明性を向上するなどの意図も込められている。最高経営責任者によるスピーディな意思決定が可能になるため、競争力の強化にもつながる。

若い世代を中心に導入が進むCEO制度。経済産業省の「『稼ぐ力』を強化する取締役会5原則」にも「最適なCEOの選定」という文言がある。この動きが日本経済界に、どのような影響を与えていくのか。今後の展開にも注目していきたい。

参考:「「稼ぐ力」を強化する取締役会5原則」、「「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」を策定しました(経済産業省)