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「ウェルビーイング」認知度倍増も、就業者の幸福感は微減傾向 パーソル総研調査

2025.10.17

株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩田亮)は、「はたらく人のウェルビーイング実態調査 2025」の結果を発表した。同社は本調査を2020年から継続して実施しており、今回で4回目。就業者の“職業生活ウェルビーイング”の認識と実態(経年変化)を把握するとともに、その要因を明らかにして継続的な維持・向上のためのポイントを提示することを目的としている。

調査概要

調査対象:全国の20〜69歳男女の就業者5000名(企業・団体の代表者を除く)
調査方法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査期間:2025年5月29日〜6月3日
調査主体:株式会社パーソル総合研究所
出典元:はたらく人のウェルビーイング実態調査2025(株式会社パーソル総合研究所)
※構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合がある

ウェルビーイングの認知度は2年で倍増 一方で幸福感は減少

ウェルビーイングの認知度は2年で倍増 一方で幸福感は減少

本調査では「ウェルビーイング」という用語の認知度を就業者に確認。その結果、27.1%が「意味を知っている」と回答し、2023年同時期の認知度(15.9%)と比較して、11.2%増加したことが明らかになった。

はたらく事を通じた主観的な実感として、幸福感/不幸感(単項目)について就業者に確認。幸福感を得ている人の割合は40.8%と、2020年と比較して3.1pt減少した。

ウェルビーイングを左右する要因とは?

ウェルビーイングを左右する要因とは?

同社は、はたらく幸せ/不幸せ実感の主たる要因となる、7つの因子スコアについて経年比較を実施。その結果、はたらく幸せ因子は「役割認識因子」を除いて、全般的に低下傾向にあることが判明。不幸せ因子は「評価不満因子」を除いて、全般的に低下していることが明らかになった。

同社は「ウェルビーイングであることを求め能動的に行動すること」を「ウェルビーイング・クラフティング」とし、職業生活におけるウェルビーイング・クラフティングを促進するメカニズムを検証した。その結果、持続的な職業生活ウェルビーイングの実現には、日常の仕事の中で「実際に、はたらく幸せ」を実感することの重要性が明らかになった。

さらに、ウェルビーイングを左右する要因が時とともに移り変わる「ウェルビーイング・トランジション」が起きていることも可視化された。「これまでの職業生活において、はたらく幸せ/不幸せの要因が大きく変わったことがあるか」をたずねた項目では「大きく変わったことがある」と回答した人は24.4%。「変わったことはない」は56.3%であった。性別では大きな差は見られなかった一方で、年代別では30代以上で「変化した」と答える割合が増加する傾向が見られた。ライフステージの移行や経験の蓄積により、ウェルビーイング・トランジションが生じる可能性がある。

まとめ

同社は本調査結果から「ウェルビーイングの源泉には個人差があり、かつ、時とともにトランジション(変化)する」と分析。一人ひとり、ウェルビーイングに影響の強い要素は異なっており、それぞれが定期的に自分が置かれている状態と重視すべき要素を振り返る必要があると提言した。

生産性の向上や離職防止の観点からも重要だと考えられるウェルビーイング。働く人の幸福感が男女ともに微減傾向にある中、いかに従業員の幸福感を高めていくかが重要な時代といえるだろう。