中小企業経営者の6割超「人的資本経営、知らない」フォーバル GDXリサーチ研究所調査
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業経営者を対象に「2025年度第1回 中小企業経営実態調査」を実施。「人的資本経営」とは、従業員の持つ能力や知識を、単なるコストではなく「資本」として捉え、その価値を最大化することで企業の成長を期す経営手法。
調査概要
調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所
調査期間:2025年7月8日~2025年8月8日
調査対象者 :全国の中小企業経営者
調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数:932人
調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所調べ
出典元:フォーバル GDXリサーチ研究所
人的資本経営について約6割が「知らない」と回答
本調査では「人的資本経営についての認知度」を質問。「聞いたことはあるが、よく知らない(30.9%)」「知らない(31.7%)」が6割を超えた。さらに「知っており、ほかの人に説明できる」と答えたのはわずか8.0%にとどまった。
また、人的資本経営に関する取り組みの実施状況について「あまり取り組めていない(37.0%)」「全く取り組めていない(26.1%)」が合わせて6割を超えた。
続いて、「人的資本経営に取り組むにあたって感じている課題」についてたずねた項目では「時間がかかる(50.0%)」が最多に。次いで「費用が掛かる(31.9%)」「社内にできる人材がいない(28.7%)」「効果を把握できていない(22.4%)」が続いた。
エンゲージメント上昇と人材獲得・定着に期待
「人的資本経営を行っていきたい理由(複数回答)」については「従業員のエンゲージメントや働きがいを高めたい(61.7%)」「優秀な人材の採用・定着を強化したい(61.7%)」が同割合で最多に。そのほか「人材育成やスキル開発を戦略的に進めたい(41.3%)」「組織の生産性や創造性を高めたい(40.5%)」が続いた。
続いて「人的資本経営に取り組んでいる」と回答した経営者を対象に「人的資本経営に関するなにかしらの投資を行うことで、業績にどの程度影響があると思いますか」と質問。その結果「非常に大きな影響があると思う(20.5%)」「ある程度の影響があると思う(59.4%)」と、影響を感じているという回答が約8割を占めた。
まとめ
同研究所が2024年に実施した調査の結果と比較すると、人的資本経営の認知度や取り組み状況については若干の上昇が見られている。しかし依然として、浸透しきれていない状況にあることがうかがえる。その背景には、時間・費用・人材といった社内リソースの不足があるようだ。
一方で、実際に取り組んでいる人からは人的資本経営への投資が業績に影響があるという回答が約8割を占め、重要性が改めて示唆された。障壁となっているリソース不足の解消に向けた取り組みや、外的知見や支援制度の整備が、人的資本経営促進のポイントとなりそうだ。
参考:ブルーレポートmini 2024年3月号(フォーバル GDXリサーチ研究所)














