退職代行サービス52法人、うち「弁護士法人」運営は約3割 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、保有する企業データベースのほか、開示資料、各口コミサイト等から判明した主な「退職代行サービス」を展開する事業者について調査・分析を実施。運営母体や利用料金などをまとめた。
「弁護士法人」による運営は約3割 業歴の浅い事業者が多数
TDBの調査によると「退職代行サービス」を展開する事業者は、全国に少なくとも52法人。このうち59.6%が株式会社など「民間経営」で、法律を専門とする「弁護士法人」による運営は34.6%だった。
さらに、法人が特定できた退職代行サービス事業者の設立年についても調査。52法人のうち75.0%にあたる39法人が、10年以内に設立された企業だった。5年以内では17法人・32.7%を占めるなど、業歴の浅い事業者が多いことが明らかになった。なお、最も設立数が多かった年は2018年・19年・21年(各6法人)。
民間と弁護士法人、それぞれの最低料金は約2倍の開き
利用料金については、各社の最低料金(着手金など含む、正社員、税込)の平均は2万9410円と報告されている。このうち、弁護士法人による料金は約4万4700円、民間経営による料金は約2万2500円と、約2倍の開きがみられた。料金設定は、退職意向を電話にて伝達するだけの簡素なサービスから、退職代行の使用有無をアドバイスするコンシェルジュサービス、有給休暇の取得交渉や貸与品の返却など付帯サービスをオプションで設定するケースなどさまざまだった。
出典元:主要「退職代行サービス」動向調査(株式会社帝国データバンク)
まとめ
退職代行サービスの多くが民間経営によるものであり、ニーズの高まりとともに、この10年で急増していることが明らかになった。
そうした中、2025年10月22日、退職代行サービス大手の「モームリ」<運営:(株)アルバトロス>が、無資格で顧客を弁護士に紹介し報酬を得た疑いがあるとして、警視庁の家宅捜索を受ける事態となった。民間経営の代行サービスの多くは弁護士による監修がある。しかしながら、従前より東京弁護士会などから弁護士法が禁じる斡旋の非弁行為にあたるとして注意喚起がされていた。
TDBはこうした調査結果を受けて 「「退職代行ビジネス」のあり方について再考が必要な時期を迎えている」と指摘している。今後の動向に注目したい。














