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M&A、大企業の24.1%が「買収」を中小企業の5.2%は「売却」を検討 TSR調査

2025.10.29

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は10月1~8日、企業を対象にインターネットで「M&A」アンケート調査を実施。M&A市場が活発になるなか、大企業の24.1%が他社の買収を検討していた。一方で、自社の売却を検討している中小企業が5.2%という実態も明らかになった。

調査概要

調査期間:2025年10月1~8日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答:6347社
出典元:M&Aが本格化、大企業の24.1%が「買収を検討」 仲介業者からのアプローチは、企業の8割超が経験(株式会社東京商工リサーチ)
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義

大企業を中心に買収の検討進む

大企業を中心に買収の検討進む

TSRの報告によると、他社の買収を検討している企業は全体の14.4%。規模別では「大企業:24.1%」「中小企業:13.7%」と、大企業が中小企業を10.4ポイント上回っている。

他社や事業部門の買収を検討している産業別は「運輸業:21.5%」「建設業:21.2%」「卸売業:20.5%」などが高い割合を示した。人手不足や2024年問題、後継者問題が影響している様子がうかがえる。一方で、自社売却を検討している企業は4.8%(大企業:0.2%/中小企業:5.2%)に。その理由としては「経営や事業部門の後継者がいない:63.7%」との回答が最多だった。 次いで「不採算が続いている:23.3%」「株主、経営者の個人的な理由から:20.4%」「事業環境が変化した:20.1%」「『選択と集中』の一環として:11.6%」が続いている。

また、これまでにM&A仲介業者から何らかのアプローチを受けたことのある企業は82.6%と8割を超えた。規模別では大企業77.7%、中小企業83.0%で、中小企業が5.3ポイント上回った。

まとめ

経営者の高齢化、事業承継に加え、法令変更や技術開発などへの対応に要する時間とコストを考慮した買収も増えており、売り手と買い手のニーズが高まっている。一方で、仲介業者を介したM&Aでのトラブルも耳にする機会が増えており、健全性を担保するルールの確立が急務と言えそうだ。

中小企業庁は、M&Aのトラブル防止と市場の活性化を促すため、2026年度にもM&Aのアドバイザー資格制度を創設する予定としている。今後の動向にも注目したい

参考:中小M&A市場改革プラン 中小M&A市場の改革に向けた検討会 中間とりまとめ(中小企業庁)