IT部門と事業部門の「部門間連携」、85%の企業が重視 サイボウズ調査
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)は、従業員数1000人以上の大企業560社の情報システム部門に在籍および情報システム業務に関与する係長以上に対し、IT部門と事業部門の「部門間連携」に関する実態調査を実施した。
調査概要
調査主体 :サイボウズ株式会社
調査実施機関 :株式会社インテージ
調査方法 :インターネット調査(マイティーモニターよりランダムに抽出)
調査実施時期 :2025年7月4日~7月7日
対象者条件 :従業員数1000人以上の企業に勤務する人/情報システム部門に在籍する人/情報システム業務に関与する人/係長以上の役職の人/「ソフトウェア・情報サービス業」・「通信キャリア業」以外の業種
回収数:560社
出典元:【大企業におけるIT部門と事業部門の「部門間連携」実態調査】部門間連携を重視する企業は全体の85%/必要と考えるも実施できていない1位は「データ活用」(サイボウズ株式会社)
企業の8割超が部門間連携を重視 関心を寄せる経営層は9割に
本調査では部門間連携の重視度をたずねた項目で「大いに重視している(26%)」「ある程度重視している(59%)」が合わせて85%に達した。
また、部門間連携における経営層の姿勢については「関心があり、部門間連携を支援している(51%)」と「関心はあるが、支援していない(39%)」が合わせて90%に。大半の経営層が部門間連携に関心を寄せる一方で、支援が実現しているのは半数にとどまっている実態が明らかになった。
取り組み内容は「セキュリティ強化」が最多 データ活用に課題感
続いて、部門間連携の具体的な取り組みとして特にあてはまるものを3つまで選択してもらったところ、「セキュリティの強化支援」と回答した企業が50%と最多に。次いで、システム間連携が41%であった。「全社・事業部門間のデータ活用」は34%で、システム間連携におけるデータ活用があまり進んでいない状況がうかがえる。
一方で、現状行っていないが特に必要と感じる取り組みをたずねる項目では「全社・事業部門間のデータ活用(15%)」が最多となった。
同社の分析によると、経営層が「部門間連携に関心あり・支援している」と回答した企業では44%が「データ活用に取り組んでいる」と回答。 一方「関心あり・支援なし」では30%「関心なし・支援なし」では15%と、経営層の関心と支援によって取り組みの実施が最も左右される結果となった。
IT部門が感じる部門間連携の課題は「人的リソース不足」と「ITリテラシーの差」
次に、どの部門と連携ができているかを確認したところ「営業部門:78%」で「できている」との回答割合が最も高く、「法務部門:66%」で最も低い割合が示された。
また、IT部門が感じている部門間連携の課題としては「人的リソースが確保できていない点(50%)」「ITリテラシーに差がある点(44%)」が上位に挙げられており、人的課題を抱える企業が多いことがうかがえる結果となった。
そうした中で同社は「CIO/CTOが在籍する企業では人的課題の負担が低い」傾向があることを指摘。 部門間連携の課題についてCIO・CTOが在籍するか否かで回答率を比べたところ「ITリテラシーに差がある点」については「CIOがいる企業」のほうが「CIOがいない企業」に比べ10pt低かった。また「人的リソースが確保できていない点」については「CTOがいる企業」のほうが「CTOがいない企業」に比べ10pt低かったことがわかった。
まとめ
IT部門と事業部門の連携について、多くの企業が重視している実態が判明した本調査。その一方で、経営層からの支援は約半数にとどまっており、取り組みの実施状況に経営層の関心や支援の有無が影響している様子がみられた。また、CIO・CTOの在籍する企業では人的課題への負担感が低くなる傾向も明らかになっており、組織の体制を整備する重要性も示唆された。
部門間連携の遅れは業務の非効率化やDXの停滞を招く要因ともなりかねない。部門間連携の状況や課題の見直しの参考にしたい。











